後ろに乗ってもシートベルト (その他87)

(初出:06/11/12) ※アーカイブ

 昔は自由だった・・・と、書いたことがありますが、この先、車に乗るのには、さらに不便を強いられそうです。
 運転席と助手席でのシートベルト着用が義務づけられたのは、1986年のことですが、警察庁では、来年以降、後部座席での着用義務づけも検討しはじめたとか。
 つぎのような報道がありました。
『昨年(05年)1年間の交通事故で、後部座席同乗者の非着用者の致死率は、着用者の約4倍に上ることがすでに判明している』
『警察庁と日本自動車連盟(JAF)が先月行ったシートベルト着用状況調査で、一般道での後部座席同乗者のシートベルト着用率が7.5%にとどまっていることが9日、わかった』
(http://www.yomiuri.co.jp/ 06/11/09)
 安全面からすれば、万全のほうがいいに決まっています。
 ただ・・・
 ”車に乗る”という行為には、「趣味がドライブ」という人が少なくないことからわかるように、実用的な面とともに、”運転を楽しむ”といった面もあります。
 また、愛車に乗っているとき、自分の部屋にいるのと同じ感覚でいる人も多いはず。
 ところが最近では、運転中は携帯電話をかけられない(04年より)、停めるときは違法駐車かどうか気にしなければならない(06年)と、運転するにあたって、どんどん自由がなくなっています。
 また、友だちの子どもは、車に乗るたびにチャイルドシートにしばりつけられ、身動きがとれずにいたら、すっかり車嫌いになってしまったとか。
 いまや、車内の空間は”自分の部屋”から”公共の場所”へ、そして”車に乗る”という行為は、”私的な行為”ではなく”公的な行為”に変わりつつあるんじゃないでしょうか。
 このままいくと、安全面で問題があるとして・・・
 同乗者がいる場合は、車内でタバコを吸うことも禁止される時代がくるかもしれません・・・ 

※令和元年10月現在、自動車の後部座席でのシートベルト着用は義務化はされていますが、高速道路以外での罰則はありません。車内喫煙は法律では禁止されていないものの、受動喫煙による健康被害は社会問題化しているため、標準で灰皿が装備されていない車が多くなっています。