(初出:24/09/13)
まもなく始まる、令和6年秋の全国交通安全運動、注意すべきユーザーは・・・
令和6年7月1日、内閣府は、「令和6年秋の全国交通安全運動推進要綱」(令和6年9月21日(土)から30日(月))を発表しました。
目につくのは、2024年春、「全国交通安全運動」の運動重点の項目から外れた※1、”飲酒運転等根絶”の文字が、ほんの数か月で、再び記載されていること。
第5 運動重点
出典:内閣府 24/07/01 「令和6年秋の全国交通安全運動推進要綱」
1 全国重点
(1)反射材用品等の着用推進や安全な横断方法の実践等による歩行者の交通事故防止
(2)夕暮れ時以降の早めのライト点灯やハイビームの活用促進と飲酒運転等の根絶
(3)自転車・特定小型原動機付自転車利用時のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底
https://www8.cao.go.jp/koutu/keihatsu/undou/r06_aki/youkou.html
飲酒運転事故の件数は、駐禁の取締り件数同様、年々減少しています。
しかし、飲酒していない場合に比べ、死亡事故率は約6.1倍も高くなっているなどの要因(令和5年度)※2から、再び重点項目となったようです。
また、春に続いて、全国重点の項目に挙げられているのが、”自転車・特定小型原動機付自転車”。
特定小型原動機付自転車とは、いわゆる”電動キックボード”のこと。
国土交通省の規定によれば、原動機付自転車のうち、最高速度20km/h以下、長さ1.9m以下、幅0.6m以下などの要件に該当するのが、この特定小型原動機付自転車※3で、令和5年7月1日適用の新たな交通ルールにより、16歳以上であれば、運転免許がなくても運転ができるようになりました※4。
しかし、それから今年5月までの11ケ月で、電動キックボードによる交通違反での摘発が、2万1562件も発生したのです。
松村祥史国家公安委員長は2日の閣議後記者会見で、要件を満たす電動キックボードが「特定小型原動機付き自転車」に分類された昨年7月から今年5月までに、信号無視など交通違反での摘発が2万1562件あったと明らかにした。事故は190件発生したが、死者はいない。
出典:共同通信 24/07/02 「電動ボード違反摘発、2万件超 事故190件、死者なし」
https://www.47news.jp/11140532.html
これだけ違反が発生していれば、「全国交通安全運動」の運動重点で、電動キックボードの交通ルール遵守の徹底が謳われるのも無理ありません。
しかし、電動キックボードの交通ルール遵守が急がれるのは、おそらく、違反の急増だけが理由ではありません。
じつは、現在、町でよく見かける原動機付自転車は、令和7年11月から施行予定の排ガス規制強化で姿を消していき、かわって、自転車、そして、この電動キックボードの台数が増える可能性があるのです。
このままいけばもしかすると、かつての飲酒運転並みに、厄介なことになりそうな電動キックボードの交通違反、今のうちに歯止めをかけようという意図もあるのではないでしょうか。
令和6年9月21日(土)から30日(月)の、令和6年秋の全国交通安全運動期間中。
取締りに気をつけたほうがいいのは、自動車ドライバーはもちろん、自転車や電動キックボードユーザーも含まれます・・・
~参照記事~
※1=自転車が主役、令和6年春の全国交通安全運動
https://xn--ckzq57d.com/torisi167/
※2=政府広報オンライン 2024年7月10日 『飲酒運転は絶対に「しない!」「させない!』
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201312/1.html
※3=国土交通省 「特定小型原動機付自転車について」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr7_000058.html
※4=政府広報オンライン 2023年7月1日 「電動キックボードに関する交通ルールを確認しましょう!」
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202306/2.html
※5=JIJI.com 2024年08月20日 『「原チャリ」惜しむ声 環境規制で存続厳しく―小型・軽量の入門バイク』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024081900543&g=eco