1万人が消える警察 (その他62)

(初出:06/04/19) ※アーカイブ

 日本最大の企業トヨタ自動車(株)は、従業員数が約28万人(※06年当時)だそうです。
 そのトヨタからある日突然、1万人以上の従業員が煙のように消えたとしたら・・・
 現場は大混乱することまちがいありません。
 じつはこうした異常事態が、警察庁に起きようとしているとか。
 原因は約800万人いるといわれる「昭和22年から26年頃までに生まれた人々」、いわゆる「団塊の世代」です。
 08年度になると全国約24万人いる警察職員のうち、1万人以上の「団塊の世代」の警察官が退職するんだそうです。
 ただでさえ、治安悪化が社会問題となっている昨今、これは由々しき事態です・・・などと、わたしが心配するまでもなく、すでに警察庁は手を打っていました。
 04年に3,000人の警察官増員を実施。
 さらに総務省、財務省と協議の上、05年度から3年間で地方警察官1万人を増員することで合意し、今年も3,500人の増員が認められました(05年=3,500人、07年=3,000人)。
 じつは政府は行政改革の真っ最中。
『都道府県の職員が、2010年4月までに少なくとも計約6万人減る見通し』
(http://www.asahi.com/ 06/4/15)
 けれど、警察を郵政公社のように民営化できない以上、時代に逆行するようですが、警察官の増員はやむをえないところ。
 (そういえば映画「ロボコップ」では、警察が民間経営された世の中が、ひどい有様となってます)。
 じつは東京や大阪などではこれまで、人が足りない警察に役所の職員を派遣していました。
 出向した職員が事務職の代替として警察で働き、現場活動可能な警察官を増やすためです(都では04年から今年3月までの2年間、約100人を警視庁に派遣。大阪では50人が府警に派遣中)。
 駐禁取締りの民間委託。
 じつは、人手の足りない警察の苦肉の策だったんですね・・・