(初出:21/02/08)
駐車監視員も熱視線? 気軽に乗れる電動キックボード(スケーター)・・・
日本ではまだ、電動スクーター、電動式キックスケーターなど、呼び方からして統一されてないくらい普及していませんが、アメリカやドイツ、フランスなどの街中では、ごく普通の移動手段となっている電動キックボード。
この電動キックボード、一見すると、子どもが足で蹴って乗るキックボードそのままですが、運転には、運転免許が必要※1です。
『電動式のモーターにより走行する「電動スクーター」や「電動式キックボード」は、道路交通法並びに道路運送車両法上の原動機付自転車に該当します。
出典:神奈川県警察 「電動スクーター・電動式キックボードの法律上解釈」https://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesf5018.htm
原動機が内燃機関(エンジン)ではなく、電動機であっても、定格出力が0.60キロワット以下が原動機付自転車とされています。(道路交通法第2条第1項第10号)』
原動機付自転車、いわゆる原チャリと同じ扱いなので、ライトや方向指示器、標識(ナンバープレート)、自動車保険加入、ヘルメット装着が義務付けられているのですが、今回、条件付きで、そのヘルメット装着が免除されることに。
つぎのような報道がありました。
『警察庁は4日、電動キックスケーターについて、業者がシェアリング事業の認可を受けた地域に限り、ヘルメットの着用を任意とするなどの新たな特例措置をまとめた。一般から意見を募った上で、4月にも制定する。』
出典:時事ドットコム 21/02/04 「ヘルメット任意に 電動キックスケーターに新特例―警察庁」https://www.jiji.com/jc/article?k=2021020401022&g=soc
条件になぜ、”シェアリング事業”がつけ加えられているかというと、諸外国で普及している電動キックボードは、シェアリングサービスが主体だからです。
日本で展開している電動キックボードは、mobby(https://mobbyride.jp/)、LUUP(https://luup.sc/)、ema(https://ema.run/)、Kickscooter ES2(https://www.hasegawa-kogyo.co.jp/)、movicle(https://movicle.jp/)、Lime※準備中(https://www.li.me/)など。
ただ、シェアリングサービスの弊害として各国で問題となったのが、歩道を占拠する、乗り捨てられた電動キックボードたち。
ドイツ在住の方のブログによると、2019年には、電動キックボードによる駐車違反が大変なことになっていました。
『デュッセルドルフでは10月末までに「駐車違反」の反則切符を290以上切ったとか。
出典:新・ドイツに住むうさぎより 19/11/26 「シェア電動キックボードが普及で歩道に邪魔物が!?罰金はシェア会社が払うの?」https://blog.shirousagi17.com/2019/11/26/e-scooter-leihen-abstellen/#:~:text=%E9%9B%BB%E5%8B%95%E3%82%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%AE%E9%A7%90%E8%BB%8A%E9%81%95%E5%8F%8D%E3%81%AF10~20%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%83%AD,%E3%82%92%E6%89%95%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82
ケルンでは11月半ばまでで110足らずの反則切符だったそうですが。
ベルリンはもっと大問題で、3週間で1200もの違反だとか。
電動キックボードの駐車違反は10~20ユーロ(1000円から2400円くらい)の罰金だそうですが、これまではシェアリングサービスの会社がその罰金を払っていました。
ですが、アメリカのシェア電動キックボードの会社、Limeはこれからは利用者が罰金を払うようにするのだとか。』
法律上の扱いが原チャリと同じということは、当然、日本でも駐禁をとられる可能性が高いわけですが、日本では、二輪車が利用できる駐車場の整備は十分ではありません。
駐車監視員制度が導入された当時から、その傾向はありましたが(参考記事:急増、バイク駐禁)、近年になっても、さほど状況は改善されていません。
電動キックボードは簡単に持ち運びできるので、自分で買ったものなら、ひょいと抱えて室内に運びこんでしまえばいいのですが、シェアリングサービスだと返すのがめんどうで、その辺に放置する人も出てくる可能性があります。
「電動キックボードが熱いらしいよ」などと、駐車監視員の間で話題になる日がくるかもしれません・・・
※2023年7月1日から条件付きですが免許不要で乗車できるようになります(参考記事:昨日の敵は、今日も敵)
☆参考記事:「ブーム確定、電動キックボード、つぎなる注目は」