(初出:06/07/31) ※アーカイブ
悪気はなくとも「ほう助」成立・・・
06年7月28日、東京地裁で、飲酒運転による死亡事故訴訟の判決がありました。
訴えたのは、01年に車にはねられ、死亡した女子大生の遺族。訴えられたのは、運転手とその妻、同僚、元勤務先の会社(=車の所有者)。
注目すべきは、妻と同僚は、事故を起こした車に同乗していなかったのに訴えられたことです。
判決については、つぎのような報道がありました。
『男と同僚、車所有者の元勤務先に計5800万円の支払いを命じた(請求は8100万円)。佐久間邦夫裁判長は同僚について「男が正常に運転できない状態と認識し、運転して帰宅することも予見できた。制止すべき注意義務があったのに怠った。飲酒運転をほう助した」と判断。しかし、妻は「自宅にいて制止する現実的な方法がなかった」として賠償責任を認めなかった』
(出典:東京新聞ウェブサイト http://www.tokyo-np.co.jp/ 06/07/28)
死亡事故を起こした運転手はともかく、同僚は、運転するのを止めなかったというだけで賠償金を支払うという厳しい判決です。
”飲酒運転は重罪である、危険性が予測したなら、それを止めるのが社会人としての義務”という判例になりました。
ひるがえって、違法駐車はどうでしょうか。
ときどき、駐禁車両のかげから子どもが飛び出し、ひかれて事故になったという報道があります。
この場合も、駐車した車に同乗者がいた場合、危険性を予測できたといえるのでは。
ここからは架空の話ですが、将来、駐禁車両が原因となった死亡事故の裁判で、つぎのような判決が下されるかもしれません。
「同乗者は、運転手が違法に駐車をし、また違法駐車した車が後続車の視界を遮り、事故の原因となることを予見できたのに、車を移動する注意義務を怠った」(架空判決文)
もちろん現実にはまだ、駐禁車両は、飲酒運転ほどの”重罪扱い”されていないので、たとえ裁判になっても上記のような判決が出るとは考えにくいです。
ただ万一、わたしの身内が、駐禁車両が原因となった事件の被害者となったら、 同乗者に、一言いいたくなるのは確かです。
「なんで注意してくれなかったの!」と・・・