(初出:20/09/19)
SFがリアルになると、リアルはどうなる・・・
次世代の技術「自動運転」、「空飛ぶクルマ」に進展がありました。
三井物産、パナソニック、凸版印刷、博報堂、西日本旅客鉄道、万博記念公園マネジメント・パートナーズは9月14日、万博記念公園で自動運転車両を活用した次世代型モビリティサービス実証試験を共同で実施すると発表した。
出典:CNET Japan 20/09/14 「パナソニックら、自動運転車両による次世代型モビリティサービス実証試験–万博記念公園で」 https://japan.cnet.com/article/35159571/
実証試験は、国内外で走行実績のある小型自動運転EV車である仏NAVYA製の「ARMA」に、パナソニックが開発中の透明ディスプレイを搭載し、透過して見える公園や庭園の風景と、ディスプレイに映し出される対話型アバターや多言語対応型アバターによるガイダンス映像を折り重ねて見ながら移動できるという内容。
平成の時代には、”未来の技術”と期待された「自動運転」(参考記事:「自動運転、まずは駐車場から?」)ですが、すでに実証試験の段階に入っています。
そしてSF世界のアイテムだった「空飛ぶクルマ」も、リアルな乗車価格が発表されました。
アーバンエアモビリティのパイオニアであるドイツの航空スタートアップVolocopterが、世界に先駆けて空飛ぶタクシーの乗車体験ができるチケットの予約販売を開始した。
出典:FASHIONSNAP.COM 20/09/18 「空飛ぶタクシー乗車を体験できるチケット発売、数年以内の提供約束」 https://www.fashionsnap.com/article/2020-09-18/volocopter/
約15分間の乗車が体験できるというもので、チケット価格は300ユーロ(約3万7000円)。30ユーロ(約3700円)のデポジットでオンライン予約できる。
映画ではお馴染みの「空飛ぶクルマ」ですが、多くのメーカーがデモ飛行が公開されるレベルに達しています。
「自動運転」、「空飛ぶクルマ」に共通するのは、車メーカーだけなく、畑ちがいと思われる様々な業界からの参入が目立つこと。
企業が時代の変化に合わせ、業態を変えるのは不思議ではありませんが、近年はその変化の速度がスピードアップしているような気がします。
とくにドッグイヤーと称されるIT業界はその傾向が著しく、インターネットで本を売っていたamazon、マイナーなパソコンメーカーだったappleは、様々な分野にチャレンジして成功、今や登場時からは想像もつかない規模の企業体にまで成長しました。
そして、これらIT企業に刺激され、多くの企業が生き残りを賭け、業界の垣根を越えたプロジェクトを企画、実行しようとしています。出版社がエンターテイメントビルを経営する、スーパーが銀行を設立するなど。
たとえば近い将来、映像配信会社が自動運転タクシーを走らせ、車中に設置されたディスプレイで有料コンテンツを視聴すれば乗車料金が無料になるサービスを提供するかもしれません。
もちろん、amazonやappleの進化も止まらないでしょう。
個人的に、実現の可能性が高いと思っているのは、”Amazonハウス”というサービスの出現。
これは、amazonが無償で住居を提供する代わり、衣食エンターテイメントなどすべてamazon経由で消費し、ライフログをとられるというサービスです。
Amazonハウスで誕生した赤ちゃんは、おむつからお墓までamazonで購入する一生を送ります。
デートに着ていく服を選べば「この服を見た人は、ほかにこんな服も見ています」、自宅に恋人を招待して、料理をケータリングすれば「この料理をオーダーした人は、こんなデザートを追加しています」とアレクサが囁く。
そんな、ライフステージすべてにamazonのレコメンドが寄せられる人生。
そして、どちらかといえば庶民的なAmazonハウスのお隣りには、ハイセンスなデジタルギアがずらっと並ぶAppleハウスが。
自動運転が普及し、空飛ぶクルマが当たり前になるころ、IT企業に一生を捧げるこんなサービスが実現しているかもしれません。
このようなサービスの利用が人を幸せにするのかどうか分かりませんが、すくなくとも、自動で運転したり、空を飛んだりするなら、確認される駐禁は確実に減ることでしょう・・・