(初出:23/03/04)
昨日の敵は、今日も敵・・・
令和5年7月1日から、個人所有であっても、新たな車両区分=”特定小型原動機付自転車”の基準を満たしていれば、条件付きで、ノーヘルで公道を走れるようになる、電動キックボード。
2023年7月1日(土)以降、特定小型原動機付自転車の基準を満たす電動キックボードには、新たな交通ルールが適用されます。
出典:株式会社Luup 23/01/19 「交通ルールの主な変更点」(改正道路交通法の施行に向けたLuupの今後の取り組みについて) https://luup.sc/news/2023-01-19-road-traffic-law-revision/
特定小型原動機付自転車とは、電動キックボードのために作られたといってもいい、新たな車両区分で、要件はつぎの通り。
”特定小型原動機付自転車”要件:
最高速度=20km/h以下
定格出力=0.6kW以下
長さ=1.9m以下
幅=0.6m以下
※参考:「道路交通法の一部を改正する法律案」(第208回国会(常会)提出法案|令和4年3月4日提出) https://www.npa.go.jp/laws/kokkai/index.html
そして、上記条件をクリアした電動キックボードに乗車するための条件は、次のとおり。
・16歳以上であること
じつは、令和5年7月1日以降は、運転免許がなくても、16歳以上であれば、電動キックボードに乗ることができるのです。
しかも、ヘルメット着用は、努力義務であって、強制ではありません。
しかしながら、だからといって令和5年7月1日、
「やったぜ! 今日から、おれは自由だぜ、ひゃっはー」
などと、電動キックボードで蛇行して公道を走ろうものなら、即摘発されます。
特定小型原動機付自転車(電動キックボード等)は、交通反則通告制度及び放置違反金制度の対象となるからです。
摘発といえば、昨年(2022年)秋の交通安全運動のころから目立って、全国で取締りが強化されているのが”自転車”ですが、自転車の違反で重点的に取り締まられているのは、つぎの4行為だといわれます。
「信号無視」
「一時不停止」
「右側通行」
「徐行せず歩道を通行」
※(参考記事:本気の悪質自転車取締り、「赤切符」の結末は)
電動キックボードの取締りも、これに準じたものとなるのではないでしょうか。
つけ加えるなら、酔っ払い運転、スピード違反、2人乗り乗車、そして自転車にはなく、電動キックボード特有の取締りポイントとなりそうなのが、”違法駐車”です。
令和5年7月1日以降、16歳以上であれば、運転免許もヘルメットもなくても乗車できる電動キックボードですが、ナンバープレートの設置が義務※づけられ、上記にもあるように、放置違反金制度の対象となるからです(※自賠責保険への加入も義務づけられています)。
先日、駐禁.comでは、駐車監視員が電動キックボードを利用することで、電動キックボードの走路を妨害する駐禁車両の確認業務がはかどるのではないかと書きました(参考記事:全部上手くいく、かもしれない)。
これだけ読むと駐車監視員は、電動キックボードが安全に走行できるように駐禁車両を排除してくれる、頼もしい味方のように思えるかもしれませんが、ことはそれほど簡単ではありません。
違法駐車しているのは、車だけではないからです。
駐車監視員制度の開始当初から問題視され、いまだに解決されていないのが、バイクの駐車場問題です(参考記事:急増、バイク駐禁)。
SNS上では、停める意思はあっても、専用駐車場がみあたらず、仕方なしに路上駐車して、駐禁をとられたと嘆くバイクライダーをいくらでも見つけることができます。
ただでさえ、コロナ禍などの影響で、放置車両の確認件数が激減している、駐車監視員。
彼らが、街中で放置された電動キックボードにロックオンしたら。
「#キックボードで駐禁とられた」
が、SNSの急上昇ワードとなる日がくるかもしれません・・・