盗まれた車が”駐禁”、だれが払うの? (罰金:令和81)

(初出:19/12/04)

 早く盗難届を出さないと被害者が負担する可能性が出てきました・・・
 駐禁をとられた場合、ドライバーがとれる選択肢は、
 1、違反を認めて警察に出頭し、「反則金」を納付する
 2、出頭せず、後日送付される納付書で「放置違反金」を支払う
 の2択(人によっては3択)ですが、正当な理由があってやむを得ず違法駐車してしまった時は、「放置違反金」の仮納付書といっしょに送られてくる「弁明通知書」に理由を書いて送ると、「放置違反金」が免除となることがあります。
 ただし、免除のハードルは高く・・・
 「トイレに行ってた」などの言い訳は通用しません
 認められるのは、自然災害などで乗り捨てざるを得なかったり、あるいは盗まれた車が路上に放置されていた場合、のはずでした。
 ”はずでした”という微妙な言い回しにしたのは、つぎのような報道があったためです。
『管理に不備があって盗まれた車が事故を起こした場合、賠償責任は車の所有者にあるのか――。この点が争われた訴訟の弁論が3日、最高裁第三小法廷(林景一裁判長)であった。弁論は二審の結論を見直すために必要な手続きで、「盗まれても仕方がない状態で保管されていた」として所有者の責任を認めた二審判決が見直される可能性がある。判決は来年1月21日に言い渡される。』
出典:朝日新聞デジタル 19/12/03 「盗まれた車が事故 責任は持ち主に? 最高裁が判断へ」(https://www.asahi.com/articles/ASMD33RKJMD3UTIL00K.html)
 2017年1月深夜、盗まれた車は、そのわずか約5時間後の早朝、4台が絡む多重事故を引き起こす・・・
 車を盗まれた所有者にとっては悪夢でしかない状況ですが、追い打ちをかけるように、裁判の二審では、盗まれた車に鍵がかけていなかった、車内のすぐ見つかる場所に鍵を保管していたと、管理責任を問われて賠償を命じられたのです。
 これに反発した車の所有者は上告、判決は2020年1月の予定ですが、もしそこで最高裁が二審の決定を支持したら、車を盗まれた被害者は、”車盗まれる、事故を起こされる、賠償金を負担させられる”という不運の極みを味わうことになります。
 まだ判決は出ていませんが、世の中、油断も隙もありません。
 この論法に従うと、被害車両と同じような条件で駐車場に止めてあった車が盗まれ駐禁をとられた場合、 速やかに警察に届けていないと、「弁明通知書」が認定されず、被害者なのに「放置違反金」を負担せざるを得なくなる可能性も出てきたのです。
 考えてみたら、車は、簡単に人を殺傷できる凶器にもなります。
 凶器がどう使われるか分かりませんが、人に被害を与えるまえに届け出るのは善良な市民の義務。
 車を盗まれた不幸を嘆く気持ちは分かりますが、一刻も早く義務を優先しないと、駐禁をとられるぐらいならまだしも、自分の車が犯罪に使われたり、暴走して人を巻き込んだりしたら、とんでもないことになります。
 また、自宅の駐車場に止めていても、かならず車に鍵をかけることを忘れないようにしないと、とめどない不幸の連鎖に巻き込まれることもあるのでご注意を・・・