(初出:23/03/02)
駐禁ステッカー取付件数、2年連続大幅減・・・
日本列島全体が新型ウイルスの恐怖に怯え、緊急事態宣言が飛び出し、外出自粛の日々が続いた2020年(令和2年)。
一時は、日本一の繁華街・銀座ですら、夜の店のほとんどが休業、違法駐車どころか、走っている車すらまばらという、文明国家とは思えないような光景が現実のものとなりました。
当然ながら、違法駐車を確認して回る駐車監視員の、放置車両確認標章(駐禁ステッカー)取付け件数も激減。
2019年が754,939件だったのに対し、2020年は667,202件と、1割以上も減少しました。
(参考記事:数字で見る、駐禁車両の減少2)
では、その翌年2021年はどうなったのか。
2020年ほどではありませんが、前年に続き、駐禁ステッカーの取付け件数は減少しました。
年度|取付件数全体|駐車監視員によるもの
2020年 1,014,064件 667,202件 ※対前年比12%減
2021年 912,603件 613,644件 ※対前年比8%減
※(参考:警察庁 「警察白書」 https://www.npa.go.jp/publications/whitepaper/index_keisatsu.html)
ちなみに2021年は、警察官による取り締まりを含めた、放置車両確認標章全体の取付け状況数も低下し、駐車監視員制度が導入された2006年以来初めて、100万件を割り込んでいます。
原因はもちろん、新型ウイルスによる混乱が収まらなかったため。
ただし、駐禁ステッカーの取付け件数は減っても、駐車監視員の人数は、さほど減っていません。
年度|委託警察署数|駐車監視員数
2020年 414署 1,938人
2021年 415署 1,930人
そのため、駐車監視員1人が1日に確認した平均放置車両数は、2020年度が0.94件(667202÷1938÷365)に対し、2021年度は0.87件(613644÷1930÷365)と低下しています。
駐車監視員は2人1組(ユニット)で行動するため、ユニット単位に直すと、駐車監視員1ユニットが1日に駐禁ステッカーを取り付けた件数は、2020年度は1.88件、2021年度は1.74件となります。
ちなみにこの数字は、過去最低。
(2006年※6~8月=約3.3台、2018年=約2.2台、2020年=約1.88台。参考記事:さらにペースが落ちてる駐禁確認数)。
それではさらにその翌年、2022年(令和4年)はどうだったのか。
まだ発表はされていませんが、正直いって、前年(2021年)に比べ、交通量が大幅に回復したという印象はありません。
なので、駐禁ステッカー取付件数が急激に増加するといった結果は、期待できないのではないでしょうか。
もちろん、違法駐車が減ること自体は喜ばしいことですが、放置違反金が歳入となる地方自治体にとっては、複雑な心境かもしれません・・・