AIの”発明”は誰のもの(その他:令和187)

(初出:21/01/24)

AI開発者の権利はどこまで・・・

世界中で多くの企業が開発に参入している、自動運転技術(参考記事:「自動運転技術の行方」)。
その競争に欠かせないのが、いうまでもなくAI(人工知能)です。

AIの進化はめざましく、たとえばチェスで最強を目指す人がいたとして、いくら強くなってもAIには敵わないのが常識などという話を聞くと、フリーザとの圧倒的な力の差に初めて泣いたベジータ並みにやる気をなくすこと確実です。

ごく自然に聞こえるAIによる「音声読み上げ」、記事や小説を書くAI「文章自動生成ツール」の登場など、われわれの日常にどんどん進出してきているAI。

と、ここで、「うん?」と気になるのが、著作権問題。
AIによって世に出た作品の権利は、誰のものになるのでしょうか。

AIの開発者? AIに指示を与えた使用者? AI開発費用を負担した企業? あるいはAIは人間ではないので創作性は認められず著作権は存在しない?

いろいろ調べたのですが、令和3年現在、AI開発・利用に関わる知的財産法制度は、どうやら日本ではまだ確立されていないようです。

しかしAIの発達は、法律が整備されるのを待ちません。
加速度的に発達しています。
今後、AIが自律的に、新しい自動運転技術を開発することもあるでしょう。

その技術が、知的財産の権利を請求できるレベルのものだったとして、他者がその技術を利用できないようにしてしまうのか、それとも自動運転技術の将来を考えて、あえてオープンにするのか。

通常、資本主義社会の原則からいえば、オープンという選択肢はありえませんが、インターネットの世界には、基本は無料、オプションは課金という、フリーミアムという概念があります。

たとえばアップルとアマゾンとグーグルが技術を共有して自動運転車を産み出し、自動運転車利用だけで利益を得るのではなく、iPhoneを持ってる人しか乗れないアップルカー、アマゾンプライム会員が利用できるアマゾンカー、誰でも使えるけど車内は広告だらけのグーグルカーなどが登場するのか。

理想としては、先日投稿した「自動運転車のある生活」のような、だれもが自由に使える自動運転車の登場が望ましいのですが、果たしてどんな未来がくるのでしょうか・・・