どれくらいで違反になる? (取締10)

(初出: 06/05/16) ※アーカイブ

2006年度、警視庁が駐禁取り締まりを民間委託した「駐車監視員」は、総勢530人(14法人)。

このうち統括責任者も含む129人(11法人)が、06年5月15日、初めて行われた駐禁取り締まりの総合実技訓練に参加しました。

場所は、世田谷区にある警視庁交通安全教育センター自動車コース。
訓練の模様は、沓掛哲男国家公安委員長も視察しました。

資格取得はペーパーテストでのみ行われるので、どの「駐車監視員」にとってもこれが、直接警察から教わる初めての実技となったわけですが。

結果はどうかというと・・・
なかには、てこずった方もいらっしゃったらしく、記事には、次のようにあります。

『監視員は2人1組で違反車両をデジタルカメラで撮影。携帯端末にデータ入力し、違反ステッカー(確認標章)をフロントガラスに張った。警察庁の想定では1回の確認作業は10分前後。だが、訓練では入力に手間取って、15分を超えるケースもあり、「むずかしい」と首をかしげる監視員もいた』(出典:日経新聞ウェブサイト http://www.nikkei.co.jp/ 06/5/16)

ちなみに訓練では、車がさまざな形で違法駐車しているケースを想定、それを、実際に取り締まる時と同じく、2人1組(ユニットと呼ぶ)で、つぎのような順序で処理していきました。

1=ドライバーがいないのを確認
2=デジタルカメラで、車の全体が入った、違法駐車していた状況が分かる写真とナンバープレートのアップ、計2枚の写真を撮影
3=メジャーで違反状況を把握
4=携帯の専用端末にナンバーや違反状況を入力
5=「確認標章」ステッカーをその場でプリンターで印刷
6=フロントガラスに張りつける
7=デジタルカメラで、「確認標章」を貼ったことを証明する写真を1枚撮影

ちなみに、これら一連の作業のうち6の、フロントガラスに「確認標章」ステッカーを貼られる前に、車に戻ってくれば、違反はまぬがれるようです。

それだけに「駐車監視員」の方からすれば、すばやく確認作業をしないとならないわけで、みなさん、きっと体で覚えるまで訓練するんでしょうね。
もちろん、上記手続きのうち、どれが欠けてもまずいでしょうし・・・

また、訓練は、確認作業だけではありません。次のような記事がありました。

『初めての民間委託のため、運転者とのトラブルも予想される。各法人の統括責任者は、運転者役の警察官に「これは取り締まりか」「あなた方は誰?」などと問われ、対応の仕方の訓練もした』(出典:毎日新聞ウェブサイト※当時 06/05/16)

駐禁は、摘発された方もたいへんですが、摘発するほうもいろいろとあるんですね・・・

※「駐車監視員」の活動については下記ページで確認できます(一部PDF)。
全国|駐車監視員ガイドライン