今日もどこかで差し押さえ (罰金:令和102)

(初出:20/01/25)

 駐禁恢恢疎にして漏らさず・・・
 駐禁をとられて出頭しないと車両の持ち主に送られてくるのが、「放置違反金」の仮納付書。
 しかし、この違反金を納付しないでいると、「早く払うように」という督促状が送られてきたり、直接電話がかかってきたりします。
 それでも放置していると、いずれやってくるのが、逮捕または滞納処分。
 逮捕については先日、令和に入ってからの状況に触れたばかりですが、滞納処分のほうについてつぎのような報道がありました。
『岐阜県警交通指導課は20日、駐車違反の放置違反金を滞納していた大垣市の30代女性に対し、生命保険の解約請求権を差し押さえたと発表した。放置違反金の滞納による生命保険の解約請求権の差し押さえは県内で初めて』
出典:岐阜新聞Web 20/01/21 「駐車違反金滞納「逃げ得許さず」 生保解約請求権差し押さえ」(https://www.gifu-np.co.jp/news/20200121/20200121-208458.html)
 滞納処分とはつまり、財産の差し押さえのことですが、差し押さえられるのは銀行預金とは限りません。
 「口座にお金入ってないんだよね。現金もないし、ないものはとれないだろう」などと余裕をかましていると、換金できる財産を差し押さえられるのです。
 今回報道された女性が差し押さえられたのは生命保険の解約請求権でしたが、ほかにも車そのものや、趣味で集めていたマンガやフィギュアまで差し押さえられたりします。
 差し押さえた財産は、インターネットオークションなどに出品されます。
 つぎの記事は三重県警が19年、「放置違反金」滞納のため差し押さえを実施したことについてのもの。
『県警は7月、「官公庁オークション」を手がけるヤフーと利用契約を結んだ。違反金の滞納者から物品を差し押さえた場合、オークションに出品し、売り上げを違反金にあてる。売上額が違反金額を上回った場合は、差額を違反者に返金するという。』
出典:朝日新聞デジタル 19/09/23 「三重)駐車違反金「滞納は許しません」初の差し押さえ」(https://www.asahi.com/articles/ASM8Z3WMSM8ZONFB002.html)
 持っている財産をどうやって調べるのかというと、銀行など金融機関に照会するのはもちろん、シンプルに自宅まできて調べたりします。
 サラ金なども返済しないと家に取り立てにきますが、一般人ではなく、制服を着た警察官がくるわけですからインパクトは絶大、近所の人に目撃されたらどんな噂を立てられるか分かったものではありません。
 警察は企業ではないので採算は関係ないのですが、 考えたら、 逮捕してもお金にはなりませんが、差し押さえすれば確実に違反金は徴収できます。
 身もふたもない言い方ですが、警察官を動かすには税金がかかるわけで、税収不足に悩む地方自治体にとっては、一円にもならない逮捕より差し押さえのほうがずっとメリットがあります。
 ちなみに平成30年(2018年)、全国で実施された差し押さえの件数はつぎのとおり。
『また、平成30年中、放置違反金を納付しなかった者に対する滞納処分を1万3,976件(徴収件数)実施したほか、車検拒否は1万6,435件であった。』
出典:警察庁 令和元年11月 「駐車対策の現状」(https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/seibi2/kisei/tyuusya/parking.pdf)
 駐禁ステッカーの取付件数自体は、117万4,633件。
 つまり、1日あたり約3,218台の車に駐禁ステッカーが貼られ、約38件の差し押さえが実施されている・・・
 今年20年は、何かと税金がかかる五輪が開催される年でもあります。
 税収不足の解消に向け、さらに積極的な差し押さえが実施される可能性もあります。
 警察官に自宅を訪問されたくないなら、早めに「放置違反金」を納付したほうがよいのかも・・・