金沢フォーラスとマイカル本牧のちがい (駐車場22)

(初出:06/11/10) ※アーカイブ

 商売するからにはお客がこなければ話にならない・・・
 お店の経営陣はお客を集めるためにどんなツールを使ったよいか、知恵をしぼって考えるわけですが・・・
 たとえば昭和初期、休日となると、ある施設を訪れるためデパートに家族連れが押し寄せたといいます。その施設とは、最上階に作られた「大食堂」。
 東京・日本橋にあったデパート「白木屋」が元祖といわれる「大食堂」という施設は、三越が発明した「お子さまランチ」の爆発的なヒット(昭和5年)と合わさって、とくに小さな子どものいる家族にとって、そこで食事をすること自体、ひとつの”レジャー”となったといいます。
 「大食堂」は、ただの食事の場ではなく、客寄せツールとしても機能していたのです。
 近年でいえば、大きなショッピングモールには、必ずといっていいほどシネマコンプレックス(シネコン、複合複合映画施設)が入っていますが、機能的にはこれも、かつての「大食堂」と同じく、客寄せツールとしての役目も果たしています。
 さて、駐禁取り締まりが強化された06年・・・
 06年11月2日、石川県金沢市にオープンしたショッピングモール「金沢フォーラス」(https://www.forus.co.jp/kanazawa)には、上記シネコンはもちろん、もうひとつ強力な客寄せツールが取り入れられました。
 付近で契約したところをふくめると、3,000台もの車の駐車スペースを用意したのです。
 なぜ駐車場が客寄せツールになるかというと、「金沢フォーラス」と同じようなショッピングモール「マイカル本牧」の例があります。
 JR金沢駅東口から徒歩1分の「金沢フォーラス」にくらべ、広大な米軍跡地に建てられた「マイカル本牧」は一番近いJR山手駅から徒歩約34分と圧倒的に不便です。
 その不便さを補うべく、いち早くシネコンをとり入れるなどし一時代を築きましたが、「マイカル本牧」の駐車台数は約1600台しかありません。
 「金沢フォーラス」の約半分です。
 アクセスが不便な「マイカル本牧」は車で訪れる人が多く、駐車場がいっぱいの時は、しかたなく近くの道路に違法駐車するドライバーも多いのではないでしょうか。
 ところが、「マイカル本牧」があるエリアが所轄の山手署(神奈川県警)の、「駐車監視員」ガイドラインを見ると、「最重点地域」”マイカル本牧周辺”と名指しされています(※06年当時)。
 「マイカル本牧」を訪れて違法駐車ステッカーを貼られたら・・・
 またこようと思うドライバーは減るのではないでしょうか。
 駐禁取り締まり強化時代における、客寄せのキラーツールはおそらく・・・
 ”広くて無料の駐車場”ではないでしょうか・・・ 

※令和元年、ここで紹介した「金沢フォーラス」は駐車総数が4,414台と拡大、いっぽう「マイカル本牧」は運営会社がイオン株式会社に吸収合併され消滅、「イオン本牧」として営業中。なお「イオン本牧」の駐車場台数は「マイカル本牧」時代よりさらに減り、367台のみ。