(初出:19/11/05)
サービス向上に一歩前進・・・
早ければ来年20年からタクシーが利用しやすくなります。
つぎのような記事がありました。
タクシーの利便性向上に向け、国土交通省は今年度中に運賃やサービスに関する道路運送法上の通達を改正する。「迎車料金の変動制」のほか、一定の経路内での「定額運賃」、1台のタクシーに他人同士が乗り合わせる「相乗り」の3制度で、利用増加を図りたい業界は来秋にも新サービスを開始する見通しだ。
出典:産経新聞ウェブサイト 19/11/03 「タクシー「月額制」導入へ 来秋にも「相乗り」など3つの新料金サービス」 https://special.sankei.com/f/society/article/20191103/0002.html
特定経路でのタクシー乗り放題は、JTBが20年2月まで群馬県で実験中ですが、実現すれば同様なサービスが全国で展開されることになります。
免許を返納してしまったのものの、定期的に病院に通わなければいけない高齢者などに待ち望まれたサービスではないでしょうか。
また相乗りサービスの実現は、 客引きのため駐車していても駐禁がとられるなど規制が厳しいタクシー業界において、より自由なサービスの提供に希望が持てる規制緩和といえます。
ちなみに規制といえば、ライドシェアのUberは日本においては国土交通省から規制されていますが、はなからそんな規制は無視して運行しているタクシーが、一部利用者に好評です。
それは許可を得ていないタクシー、いわゆる”白タク”で、 あまり日本人には知られていませんが、 外国人観光客の間で想像以上に利用されているのです。
つぎのような記事がありました。
中国で使われているスマートフォンの配車アプリを使って、登録したドライバーに、日本国内でいわゆる「白タク」行為をさせたとして、中国人の男が道路運送法違反の疑いで逮捕されました。
出典:NHK NEWS WEB 19/08/28 「「白タク」ドライバー数千人を配車アプリで管理か、中国人逮捕」 https://www3.nhk.or.jp/
警察は男が、アプリに登録している関東などの数千人のドライバーを管理していたとみて調べています。
摘発されたのは無数にある ”白タク” グループの一つであって、沖縄、箱根、京都など観光地や東京、大阪など主要都市ではいまだに、こうした外国人観光客相手の”白タク”行為が横行しているといわれます。
なぜ違法なサービスが人気なのかといえば、利用者の立場になって考えるとわかりやすいかもしれません。
海外でタクシーを利用するとき、緊張した経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
言葉の通じない日本で、料金システムがよくわからないタクシーを利用したらボッタくられるかもしれず不安だ、現地に行くまえに気軽に予約ができて分からないことがあれば母国語で相談できるタクシーはないだろうか・・・
そう思っているところへ、まさに期待した通りのサービスがあると分かれば、利用したいと思わないでしょうか。
そうした旅行者の心理につけこんでいるのが、日本で横行している外国人旅行者向けの ”白タク” なのです。
逮捕された”白タク” グループの中国人男性がドライバーを管理するために利用していた「皇包車」(https://www.huangbaoche.com/)では、今もふつうに「行先:日本 東京」と日本国内を指定することができます(※補足。現在は確認できません)。
”白タク”行為では、ドライバーが逮捕されても利用者には罰則はないということもあるのでしょうが、いっこうにこうしたサービスがなくならないのには、それなりの理由があるのです。
「観光立国」を目指す日本としては、実際に需要のあるこうしたサービスについては規制するだけでなく、観光庁などが研究したり、必要があれば諸外国とも連携してその要素を正規のサービスに取り入れていく必要があるのかもしれません ・・・