リアル「モバイルワーク」、未来のオフィス(その他:令和122)

(初出:20/06/18)

 仕事って、オフィスじゃなくてもできるんだ・・・
 新型コロナウイルスの脅威は多くのものをわれわれから奪っていきましたが、逆に、気づかされたこともあります。
 そのひとつが、オフィスの束縛からの自由。
 2020年4月16日全国に出された緊急事態宣言により、原則外出自粛となり、「密閉・密集・密接」の”3密”を避けるため、一気に進んだのがテレワークです。
『東京商工会議所は17日、会員の中小企業でのテレワーク実施状況の緊急調査結果を発表した。緊急事態宣言の発令以降、初の調査で、テレワーク実施率は67・3%だった。宣言発令前の3月調査時(26%)から急増しており、新型コロナウイルスの感染拡大で中小企業でもテレワークが進んだことが分かった。』
出典:SankeiBiz 20/06/17 「中小のテレワーク実施率が67%に急増 東商が調査」(https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200617/mca2006171633013-n1.htm)
 また、ビデオ会議に利用されるアプリ「Zoom」(https://zoom.us/)のアクセスも急拡大。
『グローバルのアクセス状況が1月に1700万人、2月に2億人、3月には3億人に急拡大した。日本でも利用者は1月から4月にかけて20倍になった。』
出典:ITmedia NEWS 20/06/18 「コロナ禍で注目急上昇のZoom、ビデオ会議の定着なるか 日本担当幹部インタビュー」(https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2006/18/news047.html)
 そして、どうしても外出しなければならない場合、電車にかわって利用される機会が増えたのがマイカーです。
 ただ車の場合、困るのが、移動先での駐車場所。
 考えることはみんな同じなので、主な駐車場はほぼ満車。かといって、その辺に停めれば、駐禁をとられてしまう・・・
 そこで利用者を伸ばしたのが、駐車場予約アプリ「akippa」(https://www.akippa.com/)でした。
 個人宅やマンション、事業所などが登録した空きスペースを駐車場として提供する「akippa」の利用状況については、つぎのように報じられています。
『東京都における予約状況について詳しくみてみると、2月に比べ4月に2.3倍に増加していたものが、緊急事態宣言解除後の5月末にはさらに増加し、2月の約4倍となりました。
都心エリア(千代田区、中央区、港区)については、4月は2月の3.5倍だったものが5月は約5倍なりました。また、大阪市北区、福岡市、名古屋市など東京以外の都市部においても、2月に比べ増加している地域が多くありました。』
出典:PR TIMES 20/06/08 「【通勤・通学でのakippa利用エリア別調査】通勤・通学目的での駐車場利用は引き続き増加。東京都では2月に比べ約4倍に」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000251.000016205.html)
 こうして、新型コロナウイルスの副産物として、”3密”を避けて自宅でテレワーク、やむをえず出社する際は電車ではなくマイカーで、という働き方をするビジネスマンが誕生したのです。
 ちなみに2012年ごろ、「ノマドワーカー」が話題になりましたが、当時の「ノマドワーカー」はIT系やマスコミ関係者が多かった印象があります。
 しかし、今回のテレワークは半ば強制的だったため、業種問わず、年代問わず、やむなく導入した会社がほとんど。
 ただコロナ終息後、こうした働き方がどうなるか、まだ予測はつきません。
 元のスタイルに戻る、という見方もあります。
 しかし一部には、労働時間短縮に繋がることから、緊急避難的措置ではなく、自ら積極的に、オフィスに縛られないテレワークの続行を希望する向きもあります。
 まあ中には、自宅でごろごろして、合間に仕事したいという不埒な願望から、テレワークを希望する人もいるようですが・・・
 そうなれば、いっそのこと、マイカーをオフィスにするのもありかも。
 取引先には、自粛生活中、子どもがいるのでリビングで落ち着いてパソコンをいじることができず(子どもがすぐ画面をのぞきこむため)、やむなくマイカーで仕事したという人がいました。
 そうした需要に加え、営業の仕事であれば、コロナ終息後は、実際に顧客を顔を合わせて話をした方がスムーズに取引できる場合も多くなるのではないでしょうか。
 そんな時、オフィス仕様の車があれば、自宅から直接取引先に出向き、車内で書類をまとめ、メールで会社に報告して取引を完了させるといったことも可能になります。
 経費の問題もあり、会社組織でいきなりこうした働き方を認めるとは思えませんが、近年増えているフリーランスであれば、都心にレンタルオフィスを借りることを考えれば、そのほうが効率的かもしれません。
 車内に机や椅子が備えつけられたオフィス仕様の車は、自動車メーカーからはまだ発売されてないようですが、ネットで探せば、市販の車を改造したものがいくつかあります(WORKVOX:働き方が変わる、移動空間。)。
 また、レンタルもされています(オリックス自動車:「移動事務所車」に太陽光パネル搭載の新モデルを追加)。
 今後、需要が高まれば、メーカーから正式に発売される可能性もあります。
 最近の車は、電子機器の塊みたいなものなので、PCやスマートフォン、AI機器などオフィスで使うデバイスと相性が良いし、駐車場・トイレがあり、店内コピーでプリントもできるし、コーヒーも飲めるコンビニを捜して行きつけにすれば、普通のオフィスより快適かもしれません。
 機動力もばっちりで、オンオフの切り替えも瞬時にでき、仕事が終われば、そのまま遊びに直行することも可能。
 下世話な話ですが、恋人とドライブすれば、これぞオフィスラブ。
 リアルな意味での「モバイルワーク」を実現するオフィス仕様車、未来のオフィスとして注目を浴びる日がくるかも・・・