(初出:20/11/19)
自動運転の駐禁は、誰が責任をとるのか・・・
2020年12月東京で、自動運転タクシーの実証実験がスタートします。
期間は2020年12月8日~12月23日、乗降場所は東京都庁周辺です。
(参考:東京都 20/11/13
「西新宿における自動運転タクシーの事業化に向けた実証実験の実施及び参加者の募集について」 https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/11/13/07.html)
空飛ぶクルマと並び、車業界のみならず、さまざまな業界から熱視線が送られている、AIによる車の”自動運転”技術(参考記事:Amazon、自動運転でたたみかける)。
この自動運転には、5つの段階があります。
・レベル1=ブレーキ、加速、ハンドル操作のどれかをシステムが行う
・レベル2=ブレーキ、加速、ハンドル操作の複数の操作をシステムが行う
・レベル3=ブレーキ、加速、ハンドル操作全てシステムが行うがドライバー対応も必要
・レベル4=特定条件下における完全自動運転
・レベル5=完全自動運転
このうち、レベル1についてはすでに、「自動ブレーキ」などの形で多くの車に搭載されています。
高速道路で遅い先行車を加速して抜く「自動運転モード」は、レベル2に当たります。
そしてレベル3については、つい先日(2020年11月11日)ホンダが、世界で初めてレベル3の自動運転システムを搭載した「レジェンド」を発売すると発表し、話題になりました。
「レジェンド」の発売は2020年度内を予定していることなので、もうじき発売日が明らかになるかもしれません(補足:2021年3月5日に発売)。
これまでの交通常識が全く通用しない空飛ぶクルマとちがい、比較的スムーズに導入が進むかと思われる”自動運転”ですが、それでも避けて通れない、大きな問題があります。
それは、責任の所在です。
現状、レベル3までの自動運転に関しては、ドライバーの責任。
ドライバーが運転に関与しないレベル4以降の自動運転については、メーカーの責任とされています。
しかし、実際に街中をレベル4の車が走り回る世の中になったとき、どんな問題が発生するか、誰にも分かりません。
東京で実施される自動運転タクシー実証実験でも、セーフティドライバーが同乗するとされており、これは自動運転の技術がまだレベル3以上、レベル4未満的な、メーカーが責任をとれる段階にまで達していないからではないかと思われます。
AIが運転する車が事故を起こして、そのまま走り続けたら、乗客はひき逃げ犯となるのか。
AIのシステムにエラーが発生、暴走し、多くの人を巻き込む事故に発展したら、誰の責任になるのか。
AIが運転する車が駐禁をとられたら、警察に出頭する義務が発生するのはAI(メーカー)なのか、それとも乗客なのか。
そもそも日本では、駐禁ひとつをとってもまだ、誰が責任をとるのか裁判になっているくらいです(参考記事:業界大注目の駐禁裁判の行方)。
レベル4以降の自動運転車の普及にとって、最大の障害となるのは、技術の進歩ではなく、法整備かもしれません・・・