(初出:22/01/29)
想像どおりの、”空飛ぶ車”・・・
「スター・ウォーズ」のランドスピーダー、「ブレードランナー」のスピナー。
SF映画の世界ではあたりまえだった、”空飛ぶ車”が、いよいよ現実のものとなりそうです。
まず日本では、きたる大阪・関西万博(2025年)でエアタクシーとしての運行が計画されている、「SkyDrive」。
2020年には有人飛行試験も成功し、現在は、実用化に向け、安全性と性能を高めることに集中しているとのこと。
順調に進んでいるようですが、ただ発表された動画を見ると、失礼ながら、ランドスピーダーなどと比べると、なんとなく「車ジャナイ」感があります。
車というより、乗用ドローンと呼んだほうがふさわしいような印象を受けました。
もっとも、大阪・関西万博に向けて進められているプロジェクトの正式名称は、「大阪・関西万博×空飛ぶクルマ実装タスクフォース」。
そもそもが、”車”ではなく、”クルマ”を開発しているので、従来の”車”とはイメージがちがって、当然といえば当然です(参考:公益社団法人2025年日本国際博覧会協会 21/05/21 「「大阪・関西万博×空飛ぶクルマ実装タスクフォース」の設置が決定されました」 https://www.expo2025.or.jp/news/news-20210521/)。
じつは、”車”を飛ばすにあたっては、SkyDriveのようにドローン技術を応用するのが世界の主流で、Youtubeにアップされている動画のほとんどが、”空飛ぶ車”ではなく、”空飛ぶクルマ”の類です(参考記事:空飛ぶクルマの夢を見るか)。
令和の今、電話といえばスマートフォンを指すように、そのうち、”空飛ぶ車”といえば乗用ドローンのことを意味するようになるのかなと思っていたところ、つぎのような記事がありました。
AirCarは、飛行機と自動車の両機能を備える乗り物。主翼は折りたたみ式で、自動車として走る場合にはコンパクトに収納される。また、尾翼は走行時にダウンフォースを発生させる。現在のモデルは2人乗りで、重量は1000kgある。動力は、排気量1.6リットルのBMW製エンジンを使っている。
出典:CNET Japan 22/01/27 「スロバキア企業、空飛ぶ車「AirCar」の耐空証明を取得–主翼は折りたたみ式」 https://japan.cnet.com/article/35182696/
動画を見ればわかるように、ふだんは道路を走ってる車の横に、おごそかに翼が生え、おもむろに空を飛ぶ。
昭和の子どもたちに、「空飛ぶ車って、どんな車だと思う?」と聞いたら、10人が10人、こういうイメージの車を連想するのではなかろうかという、車でもなければ、飛行機でもない、”空飛ぶ車”としかいいようのない乗り物です。
この「AirCar」をわざと違法駐車し、駐車監視員が駐禁ステッカーを貼ったところに戻ってきて車に乗りこみ、空高く飛んで逃げる・・・
そんなドッキリ動画をYoutubeにアップしたら、バズること、まちがいないでしょう(各方面から怒られるでしょうが)。
ただ、残念なことに、この”空飛ぶ車”の将来、明るいとはいえないかもしれません。
なぜなら、ガソリン車だからです。
欧州連合(EU)は車のCO2排出を2035年までにゼロにするよう求める規制案を示した。ガソリン車やハイブリッド車(HV)は販売が事実上禁止される。すでに「CAFE規制」と呼ばれる燃費規制を本格施行し、走行1㌔㍍あたりのCO2排出量を平均95㌘以下に抑えられないメーカーに罰金を科す。
出典:日経新聞ウェブサイト 21/09/07 「自動車の脱炭素規制とは 欧州、ガソリン車販売禁止へ」 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC066MG0W1A900C2000000/
AirCarを開発しているスロバキアも、EC加盟国であり、ガソリン車の規制は免れないでしょう。
せっかく誕生した、リアル”空飛ぶ車”ですが、短命に終わるかもしれません・・・
ちなみに、「スター・ウォーズ」には、”空飛ぶバイク”のような一人乗りスピーダーが登場しますが、2021年10月、こちらもそのリアル版「Jetson One」が発表されています。
開発したのは、スウェーデンのスタートアップ企業Jetson。
空飛ぶ車に、空飛ぶバイク。
問題は、これらに乗るには、いくつ免許が必要なのだろうかということでしょうか・・・
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