(初出:25/05/02)
デジャブな”駐禁”報道・・・
当サイト(駐禁.com)が開設されたのは、2006年4月3日※1。
時に、”ミドリムシ”などと、ドライバーから煙たがられる存在の「駐車監視員」制度が導入されたのが、2006年6月1日。
つまり駐禁.comは、「駐車監視員」の誕生から現在まで、継続してその活動を追っている、(おそらく)日本で唯一のサイトとなります。
この「駐車監視員」制度。
導入以来、毎年着実に成果を伸ばしており、監視員に確認される”放置車両”の数は、年々減少※2しています。
しかしながら、駐車監視員にも、”できること”と”できないこと”があり、とくに、”できない”ことについての近頃の報道に、デジャブを覚えることがありました。
先日、こんな報道がありました。
4月28日朝、大阪市鶴見区の花博通で違法駐車していたトラックの一斉取締まりが行われました。警察が28日午前6時半ごろから違法駐車していたトラックの一斉取締りをおこなったのは、大阪市鶴見区の花博通です。
出典:MBS NEWS 25/04/28 「違法駐車のトラック一斉取り締まり『積み荷待つ』など路駐後絶たず…住民から苦情相次ぐ 大阪・鶴見区」 https://www.mbs.jp/news/kansainews/20250428/GE00065293.shtml
この報道では、駐車監視員ではなく、大阪府警が違法駐車の取締りをしたとなっています。
なぜか。
その理由は、違法駐車中のトラックに、ドライバーが乗車していたからです。
駐禁とはいうまでもなく、 駐車禁止の略ですが、正しくいうなら、駐停車禁止。
車内にだれもいない”駐車”ではなく、だれかが乗車している”停車”でも、違反となるケースがあるのですが、駐車監視員は、”停車”状態の車両には、放置車両確認標章(駐禁ステッカー)を取付けることができないのです。
そこで、今回のように、長時間”停車”している車両を取り締まる場合、警察官の出番となるわけですが、じつは、この大阪鶴見区での違法駐車一斉取締まり。
今回が、初めてではありません。
当サイトが確認しているだけでも、2017年、そして2019年に同様の一斉取締まりが行われています※3。
また、昨日(2025/5/1)は、つぎのような報道がありました。
埼玉県警交通指導課は4月7~15日までの間、放置違反金滞納者に対する一斉徴収(滞納処分)を実施し、滞納者46人95件から合計166万4千円分の違反金を徴収したと発表した。
出典:埼玉新聞 25/05/01/ 「無視…駐車違反46人、違反金を滞納 100件近くも迷惑駐車、ずっと催促に応じなかった22~68歳…ついに166万円超を一斉徴収 口座、腕時計も差し押さえ「許さない」 https://www.saitama-np.co.jp/articles/135595
こちらのニュースでは、駐車監視員ではなく、埼玉県警交通指導課が、放置違反金の一斉徴収を行ったと報道されています。
自らが確認した駐禁車両の放置違反金について、なぜ駐車監視員は、最後(徴収)まで責任を持たないのか。
これは、委託契約で、駐車監視員に”できること”となっているのは、違法駐車を確認して駐禁ステッカーを取付けるだけで、放置違反金(or反則金)の徴収は、”できないこと”だから。
ちなみに、駐車監視員は、自分が一度取付けた駐禁ステッカーを、自分自身で撤回して、なかったことにする権限も与えられていません。
たとえば、あなたが路上駐車して、車に戻ってきたら、今まさに、駐車監視員が駐禁ステッカーを取付けたばかりの現場に遭遇した場合。
「今すぐ、車を移動するから、駐禁ステッカーを剥がしてくれ」と、駐車監視員に懇願しても、駐車監視員には権限がないため、どうにもできません(※あなた自身が駐禁ステッカーを剥がすのは自由ですが、駐車監視員による”駐禁”の確認記録は消去されません)。
また、「違法駐車して悪かった。今すぐ罰金はらうからさ、領収書ちょうだいよ」と、その場で、駐車監視員に放置違反金(or反則金)を渡そうとしても、むだです。
駐車監視員は、放置違反金(or反則金)徴収業務は委託されていませんし、当然ながら、領収書も持っていません。
さらに、「ものは相談なんだけど、今度から気をつけるからさ、今回は見逃してくれないかな。ほら、内緒でチップあげるから」と、駐車監視員にお金を渡そうとしても、受け取ってもらえません。
駐車監視員は、みなし公務員という扱いなので、金品を授受すれば、公務員同様、”買収”に応じたことになってしまうからです。
話がそれてしまいましたが、上記、埼玉県警の放置違反金一斉徴収のニュースにも、大阪府警の違法駐車一斉取締まり報道同様、デジャブを感じました。
調べてみると、果たして、2021年に今回と同じような内容の報道があり、当サイトで取り上げていました※4。
さて、サイト開設から、もうすぐ20年。
この先、なんど、デジャブを感じることになるのでしょうか・・・
~参考記事(駐禁.com)~
※1=駐禁.comについて
※2=数字で見る、駐禁車両の減少2
※3=取締りスポット変わらず
※4=埼玉で一斉徴収、放置違反金滞納