駐車監視員よりチェックが厳しい? 自粛警察(取締:令和118)

(初出:20/05/27)

 恐るべし、”自粛警察”・・・
 急拡大の兆しがみえた新型コロナウイルス対策のため、令和2年4月16日全都道府県に拡大された、特別措置法に基づく緊急事態宣言。
 それから一カ月ちょっと。
 本日、令和2年5月27日現在、日本でもっとも感染者数の多かった東京でも、新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップに基づき、まずはステップ1として、文化的・健康的な生活の維持に必要性が高い施設や、飲食店の午後10時までの営業など規制が緩和され、じょじょにコロナ以前の日常に戻りつつあります。
 しかし、すっかりもとの生活に戻ったわけではなく、新型コロナウイルスの第二波、第三波の感染拡大の可能性も指摘されており、いつまた、ステイホームの日々に逆戻りしないか気にしながら過ごす日々となっています。
 そうした非日常的なシチュエーションの副作用といってもいいのではないかと思う存在が、突如、出現した”自粛警察”。
 じつは、身内に溢れる正義感を抑えきれずに暴走してしまう方々は、新型コロナウイルス発生以前から報道されてはいたのですが(参考記事:「私的「駐車監視員」のしわざ?」)、なにしろ、日本全土が緊急事態宣言下に置かれるという非常事態の中。
 全国各地で一斉に、”自粛警察”の資質を開花させた人々が現れました。
 たとえば、つぎのような記事。
『「再開したらどうなるかわかっているのか」「殺すぞ」
 全国39県で緊急事態宣言が解除された1週間前の5月6日、営業再開を告知していた茨城県石岡市の自然動物公園「東筑波ユートピア」には、こんな匿名の脅迫電話がかかってきたという……。』
出典:日刊SPA! 20/05/27 「自粛警察、緊急事態解除でも暴走は止まらない? パチンコ店で県外ナンバーに生卵が…」(https://nikkan-spa.jp/1669932) 
 完全に脅迫です。
 しかし、正義は我にありと確信し、目的のためには手段を選ばない心境となっている”自粛警察”にはおそらく、自分自身が犯罪を犯している自覚は薄いのではないでしょうか。
 そもそも緊急事態宣言直後には、地方自治体首長自ら、「来県お断り」と語るケースが相次ぎました。
 そうした自治体に暮らす住民が、過剰なまでに”3密”を避けるよう意識してしまったのも分からないではありません。
 命が危険に晒されているという危機感から、”ウイルスを持ち込む可能性のある余所者は敵だ”という考えにとりつかれ、通常であれば考えられない行動に出てしまう・・・
 ”自粛警察”にとって生活の場である地元は、守るべき縄張りであり、平時であれば”観光客”と呼ばれる存在も、今は排除すべき”敵”としか認識できなくなっている、ということなのかもしれません。
 他県ナンバーを見かけると、生卵を投げつけることもあると噂される”自粛警察”。
 駐禁を確認しても、ステッカーを貼っていくだけの駐車監視員とは比較にならない、過激な取締りをする彼らに目をつけられない唯一の方法、それは。
 新型コロナウイルスのワクチンが量産され、感染の恐怖が去るまで”自粛警察”の縄張りに足を踏み入れないことです。
 いずれ新型コロナウイルスも、インフルエンザ並みに、よほど運が悪くなければ死んだりしない、当たり前に治る病気になるでしょう。
 そうなったら”自粛警察”も解散し、いちいち他県ナンバーに目を光らせることはしなくなるはず。
 もっとも、今の”自粛警察”が最後になるとは思えない、いずれ新たな新型コロナウイルスのような伝染病が流行したとき、再び”自粛警察”が世に現れるのではないだろうか・・・(by 山根博士)