平成駐禁事件簿7 (反則金:令和72)

(初出:19/11/18)

 車両の「使用制限処分」を避けるための”身代わり出頭”・・・
 16年04月明るみに出た問題ですが、じつは、その後も同じような問題で別会社が摘発されていました。
 17年12月、埼玉県に営業所がある運送会社について、つぎのような記事がありました。
『捜査関係者によると、同営業所では2015~17年ごろの間に約20回、業務中に運転手が駐車違反をした際、運転業務をしない管理職などの社員が運転していたように偽って警察に出頭し、違反の処分を受けていた疑いがある。県警は9月末、犯人隠避や同教唆の疑いで同営業所を家宅捜索し、関係書類などを押収。営業所幹部の統括所長や所長らから任意で事情を聴いている。幹部らはこれまでの聴取に、身代わり出頭を大筋で認めているという。』
出典:朝日新聞デジタル 17/12/15 「駐車違反20回、組織的に身代わり出頭か 運送会社捜索」(https://www.asahi.com/articles/ASKDF3GQYKDFUTNB003.html)
 同じ記事内で、16年04月家宅捜索された運送会社では、最終的に106人もの社員らが逮捕・書類送検されたと記載されています。
 どちらの事件も組織ぐるみだったわけですが、運送会社からすれば、合理的な業務を行うためにどうしたらよいか知恵を絞った末の行為であり、違法性についてはあまり問題視していなかったのではないでしょうか。
 ”駐禁をとられても「反則金」を払えばいい、免許の加点も誰かが出頭すれば済むのではないか”、このような発想だったように思われます。
 しかし、”身代わり”は法律違反であるし、なによりかつて発売されていた「駐禁反則金保険」が販売中止に追い込まれたのと同じように、”違法駐車を助長することにもなりかねない”行為として処罰されたのでしょう。
 そもそも「反則金」と「放置違反金」で、違反した責任の所在が変わってしまう制度が問題のような気がしますが、それはさておき、”身代わり出頭”が禁じ手となった運送会社がつぎに考え出し、令和の今でも行われている駐禁取締まり対策が「トラックの添乗員」です。
 これは、ドライバーが届け先に配送している間、助手席に座って駐禁認定されないようにするというアルバイト。
 しかし当然ながら、そうしたアルバイトに支払う日当は、消費者が負担する送料にはねかえってくるし、その費用を負担するために従来より長く働こうとすると、働き方改革で長時間労働を禁じられる・・・
 いったい、われわれにどうしろというのか、と思っている運送業者ドライバーは多いのではないでしょうか・・・