(初出:06/09/03) ※アーカイブ
警察庁が駐禁取り締まり確認作業を民間委託する「駐車監視員」制度は、今年06年6月1日に施行されたばかり。
その劇的な効果は、経済効果約2.5兆円といわれるほどで、最新のアンケートでも「駐車監視員制度の導入」を「良かったと思う」という回答が50%以上を占めるなど、一般にも、肯定的に受けとめられています。
なにより、繁華街を歩くと、車道が広くなったように感じませんか。
これまでは、まるまる一車線ふさいでいた駐禁車両がいなくなり、視界が広くなり、そのように思えるのではないでしょうか。
走ってる車が通りすぎれば、そこはなにもない車道がどこまでも続く・・・
あたりまえといえばあたりまえですが、これまでは休日の早朝などにしかお目にかかれなかった光景が、運がよければ、平日の昼間でも見ることができるようになりました。
道路は、ある意味、都市の血管のようなもの。
なんというか、これまでは梗塞状態だった血管が通じて、都市が健康になったような気さえします。
ただし、物事、表があれば裏がつきもの。
法の平等の精神にのっとり、どんな車でも一律に違法駐車としているため・・・
業務に支障が出ているのが、運送・引越・タクシー業界など。
また、売上が落ちた商店街や、専用駐車場がほぼないバイクなど、解決しなければならない問題がいくつも出てきました。
警察庁も、これら問題について”聞く耳もたず”というわけではなく、これまでにも「なぜ、ゆうパックの集配車は駐禁の取り締まりをされないんだ」という声が高まると、駐車禁止規制の除外措置の撤廃を検討するなど、修正できるところは修正しようとしています。
ただ個人的には、「駐車監視員」制度には試験運用のような側面があり、今後出てくる問題を解決、修正したなら・・・
人員を増員し、担当区域も拡大していくのではないでしょうか。
なぜなら「駐車監視員」の有資格者は、06年5月の段階で全国1万7千人を突破し、さらに増えつつあるのに、06年度に業務を委託された「駐車監視員」は全国でわずか1580人。
つまり、仕事をしている「駐車監視員」は、有資格者の1割にも満たないのです・・・