(初出:20/10/23)
駐車場に困らない時代がくるかもしれません・・・
コロナ禍で密を避ける動きが広まった結果、急増したとされるのがマイカー通勤です。
それに伴い、利用者を増やしたのが、個人宅やマンション、事業所などの空きスペースを駐車場として利用できる予約アプリ「akippa」(https://www.akippa.com/)。
都心エリア(千代田区、中央区、港区)に限っていえば、2020年2月に比べ、5月は約5倍の予約状況だったとか(参考記事:リアル「モバイルワーク」、未来のオフィス)。
ちなみに、当サイトが初めて「akippa」を取り上げたのは、ちょうど1年前の、昨年10月のこと(参考記事:駐車場もシェアリング)。
当時は会員数150万人を突破したことが話題になったのですが、今HP(https://www.akippa.com/guide/start)を確認したら、登録ユーザー200万人を超えていました。
1年で50万人増えた計算になります。
そして今後さらに、同社の業務が拡大する可能性があります。
東京都における車(四輪車)の違法駐車台数は、駐車監視員による活動の成果などもあり、平成25年に63,217台あったものが、令和元年には51,913台にまで減少しています(参考:警視庁 20/04/01 「放置駐車等追放対策」https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotsu/jikoboshi/genin/chusha/houchitaisaku.html)
しかし、「akippa」Marketing Office 兼 Active Business Operation Group グループ長・田中氏によれば、瞬間的な駐禁台数はこんなものではありません。
「CNET Japan Conference 不動産テック オンラインカンファレンス2020」で、つぎのような発言がありました。
田中氏:駐車場ビジネスの市場規模は1兆円程度だといわれていますが、潜在ニーズを含めると約5兆円あると見ています。車の総保有台数が約8000万台であるのに対して、コインパーキングは約470万台しかないという調査データもあり、コンパーキング不足が窺えるのですが、違法な瞬間路上駐車台数は東京都と大阪府の合計だけでも約8万件近くあり、これらに対してすべてコインパーキングを整備すると約5兆円になると試算しています。
出典:CNET Japan 20/10/16 「衛星データから「駐車場向けスペース」を自動検出–3社が語る駐車場ビジネスのDX最前線」 https://japan.cnet.com/article/35159615/
桁がちがいます。
でも、「akippa」の登録者数、駐車場拠点数が増えているのは、事実。
駐車場のシェアリングサービスがこのまま普及していけば、近い将来、車を停めたいとき、駐車場に困らない便利な時代がくるかもしれません。
ただそうなると、影響を受けそうなのが、違法駐車を確認する駐車監視員です。
基本、駐車監視員の担当エリアは固定されており、定期的に実態に沿った見直しがされていますが、月単位などの頻繁な変更は実施されていません。
しかし警察署によっては、「駐車監視員活動ガイドライン」に、特定の条件に合致し、委託警察署長の指示があればガイドライン範囲外であっても確認事務を行うことができるという留意事項をつけ加えている署もあります。
「akippa」などの普及によって駐車場スペースが拡大し、確認される駐禁件数が減っていけば、駐車監視員の担当エリアも、よりフレキシブルな対応を迫られるかもしれません・・・