”高額請求”コインパーキング問題(駐車場:令和253)

(初出:22/02/03)

”高額請求”コインパーキング問題・・・

4時間ほどの駐車で1万円を超える駐車料金(10,800円)を請求された、お笑いタレントのツイッター投稿が話題になっています。

ネット上では同情する声が広がっている。お笑いコンビ「チョコレートプラネット」の長田庄平(42)が30日、ツイッターに投稿したコインパーキングをめぐる高額な駐車料金のことだ。
<約4時間程駐車して出ようしたらこの値段!8度見ぐらいして見たら上限無しのコインパーキングだった、、、><近くに上限3800円のパーキングがあったのでてっきり同じ感じと思ったのが失敗、、しかも1万円札もカードも使えず全て千円札で支払わないといけないという所業>

出典:日刊ゲンダイDIGITAL 22/02/01 「チョコプラ長田「高額駐車料金」は景品表示法違反に該当か? 消費者庁に聞いてみた」 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/300708

このコインパーキングでの料金問題、国民生活センターでは、再三、文章を発表して、注意喚起しています。

参考:国民生活センター 23/10/03 「「一日最大○○円」…、確認せずに利用すると高額料金になることも! 」 https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20131003_1.pdf

参考:国民生活センター 20/06/23 「当日最大600円」のコインパーキングに2日間駐車したら4,000円請求された! https://www.kokusen.go.jp/t_box/data/t_box-faq_qa2020_04.html

上記掲載したのは、そのごく一部で、国民生活センターのHPには、似たような内容の文章が、定期的といっていいほどの頻度で多数アップされています。

また、注意喚起だけではなく、トラブルの相談例も。

参考:国民生活センター 28/11/22 「コインパーキングの「表示」をしっかり確認しましょう」 https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20181122_1.pdf

さらには、紛争に発展したトラブルの詳細も紹介されています。

参考:国民生活センター 19/06 「コインパーキングの支払いに関する紛争」 https://www.kokusen.go.jp/adr/hunsou/data/adr-20190620_041.html

参考:国民生活センター 18/03 「コインパーキングの返金に関する紛争」 https://www.kokusen.go.jp/adr/hunsou/data/adr-20180315_034.html

これら文章をひと通り、チェックしたのですが、結論からいうと、自衛策としては、
「コインパーキングを利用する際は、よく料金を確認する」
しかないようです。

紛争になり弁護士を入れた例をみても、利用者側の言い分が通ったとは書いておらず、駐車場オーナーと和解したと書いてあるのみ。

具体的な金額の記載がないので、時間とお金を使って訴えた利用者に、弁護士を使っただけのリターンがあったのか不明です。

国民生活センターの所管官庁である、消費者庁のホームページにも、コインパーキングに関する、つぎのような消費者へのアドバイスが掲載されています。

消費者の方へ
時間貸し駐車場の料金の適用は複雑な場合もあり、利用する際は料金表示をよく確認しましょう。特に最大料金が設定されている場合は、その繰り返し適用があるかを確認し、よく分からないときには、利用前に、看板等に記載されている駐車場の連絡先に問い合わせてみるようにしましょう。

出典:消費者庁 「COLUMN8 時間貸し駐車場の料金表示(景品表示法上の考え方の公表)」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/2018/white_paper_column_08.html

使ってから後悔するのではなく、利用するまえの確認が最重要。

料理店の評判をまとめた「食べログ」のように、コインパーキングを評価した「停めログ」があればいいのでしょうが、パーキングの料金は時期によって変動するので、リアルタイムの情報更新はむずかしく、運営は困難でしょう。

またパーキングは、予約して使うというより、現地で空いているところを探すケースがほとんど。

料金は二の次で、とりあえず空いてるところに入れるということになります。

どこのコインパーキングも満車で、ぐるぐる走った挙句、ようやく見つけた、青い”空き”表示。
しかし、料金表示がごちゃごちゃしていて、よく分からない。

「なんだ、これ。いくら、とられるか分からないぞ。すぐ戻るし、いいや、路駐しよう」

そう思って、道端に車を停め、用事をすませて戻ったら、フロントガラスに黄色い駐禁ステッカーが貼られていた・・・

ありがちな話ですが、放置駐車違反の反則金(放置違反金)は、15,000円(駐車禁止場所等)かかります※。

もし、冒頭のお笑いタレントのようにコインパーキングで思わぬ出費をする羽目になったら、15,000円より安ければ、”駐禁をとられるよりは安く済んだ”と、むりやり自分を納得させ、二度とそのコインパーキングに近寄らないようにするのが、現実的な対応かもしれません・・・

※参考:■駐禁の仕組み2(放置違反金、滞納処分)■