自動運転技術の行方(その他:令和180)

(初出:20/12/30)

困難を極める未来予想・・・

令和2年最初の「駐禁.com」でとりあげたのは、東京五輪の影響で、夏からGWに開催が前倒しになったコミケについてでした(参考記事:令和二年GW、お台場大混雑)。

ところが、1年がもうすぐ終わるという今日(12/30)振りかえってみれば、今年はGWはおろか、冬のコミケすら開催されない事態となっています。

「駐禁.com」のイメージキャラクターを描き下ろしてもらった漫画家・伊藤伸平先生とは、年2回開催されるコミケ会場で会うのがお決まりでしたが、ついに1度も顔を会わせず仕舞い。

いっぽう、コミケ中止の元凶であるコロナ禍はとどまることを知らず、東京都における1日の感染確認者は4桁に迫る勢いです。

このように予測を裏切る事態があちこちで発生し、混迷したまま迎える新年ですが、果たしてどんな年になるのでしょうか。

車関連でいえば、確実と思われるのは、”自動運転”技術のさらなる進化と開発競争の激化。

車メーカーのトヨタはもちろんのこと、NTT、ソニー、そしてグーグル、アマゾンなど多くの異業種企業が開発に力を入れていることで知られている自動運転技術ですが、先日、ついにアップルも参戦を表明しました。

ロイター通信は21日、米アップルが自動運転技術の開発を進めており、2024年までの乗用車生産を目指していると報じた。コストを抑えた高性能電池を搭載し、航続距離が長くなるとみられる。

出典:産経ニュース 20/12/22 「アップルが乗用車か 2024年までに生産と報道」https://www.sankei.com/economy/news/201222/ecn2012220012-n1.html

これで、GAFAのうち3社までが開発に乗り出してることが明らかになった自動運転技術(参考記事:Amazon、自動運転でたたみかける)。

ただ、世界で初めてレベル3の自動運転システムを搭載した車を発売するのはGAFAではなく、わが日本のホンダです(参考記事:AIが出頭するのか、自動運転責任問題)。

そして日本国内では、自動運転が実用化されるにあたって必要な社会インフラの整備も、着々と進められています。

たとえば、自動運転バスにとって邪魔となる、駐禁車両などを排除するシステム。

「ICTゲート」は、自動運転車両運行システムと連携して自動開閉し、自動運転バスだけが停留できる専用空間をつくりだします。自動運転車両の技術開発が日々進んでいますが、混在交通における自動運転バス(公共交通)の優先走行、円滑な交通と事故の回避には、道路側からの対策も必要であると考えます。

出典:株式会社アークノハラ 20/12/16 「自動運転車両運行システムと連携、自動開閉する「ICT ゲート」を開発」 https://arc-nohara.co.jp/topicList/2020/12/16/105

そして、自動運転車が事故を起こした際の、警察の対応マニュアルの整備。

自動運転車が事故を起こした場合の捜査の要領を記した文書を警察庁がまとめ、全国の警察に通知したことが26日、関係者への取材で分かった。通知は24日付。新技術に関する情報を共有し、捜査の不備などを防ぐ狙いがある。

出典:時事ドットコム 20/12/26 「自動運転車事故の捜査要領 手順や確認事項、全国で共有―警察庁」 https://www.jiji.com/jc/article?k=2020122600028&g=soc

それによれば、自動運転車には飛行機のフライトデータレコーダーのような装置が設置され、それを事故車から回収・解析することにより、事故がシステムの故障によるものか、ドライバーの過失によるものか判断する方針のようです。

考えてみれば車ではないものの、日本ではすでに、「ゆりかもめ」という無人運転システムが稼働しています。

決められたルートを走る自動運転バスなどは、ほかの車が入ってこれない専用レーンさえ設けてしまえば、比較的容易に導入できる技術はすでにあるのかもしれません。

ただ、自動運転技術には、参加する企業ばかりではなく、ウーバーのように撤退する企業も出てきています(参考記事:自動運転も空飛ぶのも夢で終わったウーバー)。

コロナほどではないでしょうが、実用化にあたっては、予測を裏切るような出来事がまだ待っているかもしれません・・・