命がけの「駐車監視員」 (逮捕35)

(初出:06/10/15) ※アーカイブ

警察庁から駐禁確認作業を民間委託された「駐車監視員」は、”みなし公務員”という立場にあり、その作業を邪魔した場合、公務執行妨害として逮捕されることがあります。

しかし・・・

警察官の制服とくらべると、緑色の制服がフレンドリーに見えるせいか、06年6月1日に「駐車監視員」制度が施行されて以来、監視員に暴行して逮捕される事件があとをたちません。

初めて「駐車監視員」に対する公務執行妨害容疑で逮捕者が出たのは、制度施行後わずか6日後の06年6月6日のことで、当時は、マスコミも大々的に報じましたが・・・

2カ月もすると、”ありふれた事件”とみなされるようになったためか、事件があってもほとんど報道されなくなりました。

ただ、06年10月13日宮城県仙台市で起きた事件は、逮捕された男に公務執行妨害だけでなく”殺人未遂容疑”まで適用されかけたとあって、ひさしぶりにニュースとなりました。
つぎのようなニュースがありました。

『仙台市青葉区内に路上駐車していたワゴン車を監視員2人が放置車両として確認作業を進めているのを発見、殴ろうとするなど作業を妨害した疑い』
『同容疑者はさらにワゴン車に乗り込み、車窓から「ばか野郎」と罵声(ばせい)を浴びせながら約300メートル追走したという』
出典:日刊スポーツウェブサイト http://www.nikkansports.com/ 06/10/13)

ポーズだった可能性もありますが、「駐車監視員」をひき殺そうとしたわけです。

過去に「駐車監視員」の頭をはたいて逮捕された男は、裁判で懲役1年、執行猶予3年の判決が下されています。

”殺人未遂”ととられてもしかたのない事件を起こした男には、さらに厳しい判決が下されるのではないでしょうか。

頭をはたいて逮捕された男は、裁判官に「(相手が)警官でも暴行したか」と質問され、「(警官だったら)していない」とこたえています。

「駐車監視員」を車で追い回した男も、相手が警察官だったら、そこまでしなかったのではないでしょうか。

もちろん、公務員ではなく民間人が相手だったら、追いかけていいということはありません。
追われている「駐車監視員」が万一転んでいたら、駐禁が原因で重大犯罪を犯すところでした・・・