嘘のようなニセ駐車監視員の話(取締:令和197)

(初出:21/02/24)

ギャグで書いたことが現実になったかも・・・

いまでは、街角の風景の一部と化している駐車監視員ですが、2006年、駐車監視員制度が始まった当初は、ほとんどの人がその存在に注意を払いませんでした。

というのは最初、全国1270以上ある警察署のうち、駐車監視員制度を導入したのは、270署のみ。
いちばん多くの駐車監視員に業務委託した東京都でさえ、12区(千代田、中央、港、品川、台東、文京、新宿、渋谷、江東、墨田、豊島、江戸川)43署の警察署で導入しただけでした(参考記事:どこを見回ってるの? ※都内)。

全国規模でみるなら、駐車監視員とはまったく関係のない地域のほうが多かったのです。

そもそも「駐禁.com」を作った動機からして、駐車監視員制度に対する関心があまりに薄かったから(参考記事:駐禁.comについて)。

そんな中、ギャグとして書いたのが、現在、Kindleで発売中の電子書籍に収録した、ニセ「駐車監視員」が現れ、駐禁ドライバーから罰金をだましとろうとするショートショートです。
作品:「ニセモノ注意! 「駐車監視員」のお仕事チェック (架空会話1)」(「ショートストーリーズ: 駐禁.comの”薄い本” 」kindle収録。250円)

ところが先日、駐車監視員制度の先進国であるイギリスで、長年、ニセ「駐車監視員」が暗躍していたというニュースが流れました。

1978年頃から、同動物園の周辺にある空き地に停めようとする車を見つけては、さっと近づいていた駐車場係員風の男。運転手に駐車料金を支払うよう求め、領収書風のチケットも準備されていた。
 それは完全なる詐欺・搾取だったにもかかわらず、金額が小さいうえ、違法駐車を指摘されることを恐れ、警察に被害届を出す者は20年間誰一人いなかった。

出典:SIRABEE 21/02/14 「動物園周辺の駐禁スポットに出没するニセ係員 20年間誰も詐欺と気づかず」 https://sirabee.com/2021/02/14/20162502962/

事実は小説よりも奇なりという、ことわざのお手本のような話です。
いや、もしかすると報道されていないだけで、日本でも、こうしたニセ「駐車監視員」がいたのかもしれません。

ただ、イギリスのような小銭程度ならまだしも、高額な反則金をその場で払うドライバーがそれほどいるとは思えないので、なかなか成立しにくい犯罪でしょうが・・・