結果を残すと、クビが絞まるジレンマ その1(令和295)

(初出:23/12/22)

結果を残すと、クビが絞まるジレンマ・・・

開始当初に比べ、1日の確認件数が半分以下となった、駐車監視員。

具体的には、駐車監視員制度が導入された2006年6月~8月、駐車監視員1ユニット(2名)が1日に確認した駐禁車両の全国平均台数は、約4.53台※1。

対して、2022年度1年間で駐車監視員1ユニット(2名)が1日に確認した駐禁車両の全国平均台数は、約2.26件台※2。

これが民間であれば、費用対効果が悪すぎるとして、責任者が更迭されそうなダダ下がりの状況ですが、違法駐車の確認作業は、営利事業ではありません。

なので、駐禁の確認件数が半減したからといって、今すぐ駐車監視員制度が廃止になるとは考えられません。

むしろ、駐車監視員制度が設けられた趣旨※3からすると、現状は、当初期待されたどおりの状況になりつつあるといえます。

限りある警察の人員を違法駐車対応から解放し、かつ、違法駐車そのものを減らすため、確認作業を民間に委託する・・・

コロナ禍という予想外の災害の影響があったにせよ、駐車監視員制度は、違法駐車撲滅という本来の目的を、着実に達成しつつあるのです。

とはいえ。

成果が上がってきたからといって、駐車監視員制度の規模を縮小したら、元の、違法駐車無双状態に戻ってしまうかしれません。

なので、制度自体はなくすわけにはいきませんが、かといって、駐車監視員を民間に委託するには、費用が必要。

そして、その費用を捻出するには、駐禁車両の放置違反金が必要不可欠ですが、駐車監視員が成果を出せば出すほど、ドライバーが違法駐車に気をつけるようになり、放置違反金が減少してしまうという、ジレンマ。

果たして、これを解決する方法は、あるのでしょうか・・・

~参考記事~
※1=全国平均1日約4.53台、「駐車監視員」駐禁確認台数
※2=駐禁ステッカー取付件数、3年連続大幅減
※3=警察も楽じゃない!?