(初出:06/06/06) ※アーカイブ
駐禁取り締まりを民間委託する「駐車監視員」制度がはじまって、はや6日目。
端末のトラブルなどが続出した、各メディアであれほど報道された初日の混乱もどこへやら・・・
村上ファンドの村上世彰が逮捕されるなど、ショッキングな事件が続いているため、マスコミは、すっかり関心をなくしたようですが。
今日も地道に「駐車監視員」は担当地域を見回っているのです。
ところで現時点で、「駐車監視員」制度の最大の問題はといえば、取り締まり対象となる、駐禁車両の数です。
06年6月1日、「駐車監視員」制度開始初日、「駐車監視員」が標章(ステッカー)を貼った違法駐車車両の数は、全国でたった965件だったとか。
その日の「駐車監視員」の出勤状況についての報道がありました。
『初日の1日、民間委託の監視員は264警察署で計1,593人が出動』
(出典:朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/ 06/06/02)
駐車監視員は2人1組(ユニット)で行動するので、1,593人ということは約796ユニット、それで965件。
つまり1ユニット1日あたり1.2件しか、確認作業ができなかったという計算になります。
たしかに、初日は、全国11都道府県で、取り締まり用の端末のトラブルが発生し、作業が中断したため、実働時間は少なかったかもしれません。
それでもこの数字では、「駐車監視員」制度は、計画倒れとなりかねません。
ちなみに、これまでに発表されたデータから推測される駐禁確認見込み件数は、1ユニット(2人)あたり1時間に1台。1日8時間勤務で8台というもの。
もっともこの日は、取り締まりが強化されるという事前告知が効果的だったためか、駐禁車両そのものが少なかったようです。
この日、「駐車監視員」ではなく、警察官が処理した駐禁の件数は3,779件。
「駐車監視員」の965件と合わせると4,744件になりますが、この数字について、つぎのような報道がありました。
『昨年の1日平均より約1,000件少なく、警察庁は「取り締まりへの関心が高く、違法駐車を控えたドライバーが多かったようだ」とみている』
『千葉市のJR千葉駅前の道路約300メートルでは、施行前の5月29日に21台が確認されたが、1日は1台だけだった。福岡市中心部の明治通り約250メートルでは5月29日は69台だったが、1日は12台だった』(出典:毎日新聞ウェブサイト※当時 06/06/02)。
もしも、全国のドライバーがこのまま、駐禁をしないよう心がけたら、全国の繁華街で車の流れがスムーズになり、渋滞が解消されるかもしれません。
もっともその場合、駐禁車両がいなくなるので、「駐車監視員」の存在意義そのものが問われる可能性も。
なんというか、「薬がききすぎた」という感じでしょうか・・・