(初出:19/12/29)
堂々1位のページに書いてあった”車を借りないでください!”・・・
2020年、いよいよ東京で五輪が開催されます。
期間中首都圏では、はげしい交通渋滞の発生が予想されますが、その対策として警視庁は、特別な「五輪シフト」を敷き、かつてない厳しさで駐禁取締まりを実施する予定です。
しかし来日する観光客に、こうした国内事情がどれくらい知られているのか、そもそも日本における”駐禁”取締り制度を、政府がどのように海外に向けて発信しているのか、気になって調べてみました。
方法は簡単、”日本における駐車違反”というキーワードを英訳(parking violation in japan)し、Google検索で調べるだけです。
結果、2019年12月29日現在1位になったのは、「全国レンタカー協会」の「駐禁ステッカーが車に貼られたら」と題されたページ(※現在は削除)でした。
2位は、乗換案内のNAVITIMEの「駐車違反」について説明したページで、3位は、トヨタレンタカーが「駐車違反は厳しく管理されています」と注意するページ。
8位になってようやく、京都府警による「駐車違反」による罰金の支払いについて説明するページが出てきますが、ほかはすべて、民間企業のHPばかり。
車を貸した客が駐禁をとられ、「反則金」を支払わず出国してしまった場合、レンタカー会社が「放置違反金」を負担する可能性もあるわけで、レンタカー会社が海外旅行客対策に必死になるのは当然です。
それにしても、民間ではなく、行政からの 「駐車違反」 に対するアピールが足りませんが、ここで気がつきました。
「駐車違反」は地方行政の分野なので、”日本における駐車違反”だと範囲が広すぎるのです。
そこでキーワードを”日本 における駐車違反 ”から、”東京における駐車違反”(parking violation in tokyo)に変えて検索してみると、またしても「全国レンタカー協会」が2位、NAVITIMEが3位にランクインしたものの、東京における「駐車違反」の総元締といえる、警視庁の「東京の駐車場案内」というページが4位に登場しました。
しかし、警視庁を押さえて1位となったのは、「Japan Local Government Center」という団体による「東京の路上駐車事情について」という解説ページだったのです。
このJapan Local Government Centerはどんな団体かといえば、日本名:一般財団法人自治体国際化協会ニューヨーク事務所といい、その名の通り、一般財団法人自治体国際化協会がニューヨークに設置している海外事務所です。
では、一般財団法人自治体国際化協会はなんの組織かというと、略称をCLAIRといい、『地方公共団体の国際化推進を目的として1988年(昭和63年)7月に設立された法人』(wikipedia)です。
そしてキーワード「parking violation in tokyo」で堂々1位のJapan Local Government Centerのページで、東京の”駐禁”事情についてどのように触れているかといえば、まず東京では、路上での車の駐車は禁止されているとし、違法に駐車すれば罰金を支払う必要があると説明。
さらに、東京における駐車料金は高額であること、不正を行って違法駐車をまぬがれようとして逮捕された事例があったと紹介、また、東京は公共交通機関がひじょうに発達しているとし、つぎのような文言で文章を結んでいます。
東京に来るときは、電車かバスに乗ることをお勧めします。注意してください、車を借りないでください!
出典:Japan Local Government Center 11/09/14「About Road Parking Circumstances in Tokyo」 https://www.jlgc.org/about-road-parking-circumstances-in-tokyo/
これはもう、注意というより、もはや警告です。
しかし、五輪期間中、各国からの旅行客でごったがえす都心で交通整理にあたる警察官も、この説明と同じ心境かもしれません。
これ以上、仕事を増やさないでくれと・・・