駐車監視員のひみつ その2(取締:令和175)

(初出:20/12/16)

 行きたいところに行くわけではありません・・・
 意外と知られていない、駐車監視員のお仕事。
 その内容についてのお話、2回めです。
・「行先は指示に従うだけ」
 下記のような記事がありました。
『下駄げたや浴衣姿で車道にはみ出す歩行者も目立つ城崎温泉街(兵庫県豊岡市城崎町)で、その原因となる道路脇の駐停車を減らす取り組みが始まった。風情を台無しにし、事故の危険もある状況を改善しようと、地元の人らが温泉街独自のルールを設定。湯のまちの人気を冷まさぬよう、「安心して土産物店や外湯めぐりを楽しんでもらおう」と連携していく。』
出典:読売新聞ウェブサイト 20/12/14 「路駐に超迷惑する温泉街、「風情が台無し」「人気も冷める」」(https://www.yomiuri.co.jp/national/20201212-OYT1T50311/)
 これを読み、「そんなに困ってるなら、駐車監視員を派遣して駐禁ステッカー貼らせればいいじゃないか」と思った方。
 駐車監視員には担当エリアが決まっており、担当エリア以外に派遣されることは基本的にはありません。
 警察幹部が「今日は城崎に行ってくれ。温泉街がマナーを守らない駐禁で困ってるらしい」などと指令を出すことはありえないのです。
 そもそも問題となっている城崎温泉街は、豊岡北警察署の所轄ですが、同署は駐車監視員に業務委託をしていません。
 つまり、城崎温泉街の駐禁車両を見回る駐車監視員は、この世に存在しないことになります。
 もし見かけたら、偽物です。
 ちなみに、イレギュラーな駐禁ラッシュが発生したらどうするかというと、駐車監視員ではなく、警察が出動することになります(参考記事:時計の針が逆もどり、警察が駐禁取締まり)。
 また長年にわたり、特定の日にちだけ駐禁が多発することが分かっているエリアは、その時だけ駐車監視員が確認して回るように設定されていたりします。
 たとえば、土日に観光客が押し寄せる江の島島内(藤沢警察署:所轄)は 土曜日・日曜日及び休日の5時~22時、7月~8月の5時~22時だけ、駐車監視員の重点地域(自動二輪・原付を含む)に指定されています(参考:藤沢警察署駐車監視員ガイドライン)。
 城崎温泉街も、豊岡北警察署が新たに、観光客が多い時期だけ駐車監視員が見回るように委託することも可能だと思いますが、この場合懸念されるのが、駐禁をとられることをいやがる利用者離れです。
 じつは同じような問題は、かつて鳥取市で発生していました。
 駐車監視員制度導入当時、鳥取市のメーンロードが「駐車監視員」の対象区域・路線に指定されたところ、売上に影響があったため、商店街が鳥取県警や公安委員会に規制緩和の要望書を提出。
 結果、駐禁取り締まりの緩和が決まったのです(参考記事:鳥取県商店街で駐禁取り締まり緩和)。
 駐禁車両で道路が歩きづらいのは、人気スポットである証。
 「水清ければ魚棲まず」ということわざもありますが、駐禁規制を強化した結果、温泉街を訪れる客が減っては本末転倒。
 さぞかし関係者は、さじ加減に頭を悩ませているのでは・・・