(初出:20/02/18)
ひさしぶりの公務執行妨害報道・・・
ご存じない方もいるかもしれませんが、駐禁ステッカーを貼る「駐車監視員」は、みなし公務員です。
そのため、「駐車監視員」の業務の邪魔をする行為は公務執行妨害となり、逮捕されます。
「駐車監視員」制度は2006年6月からスタートしたのですが、その一週間後にはもう、同容疑で全国初の逮捕者が出ています(全国初、逮捕1号)。
この時は初の逮捕とあって多くのマスコミに取り上げられましたが、その後、逮捕者が続出。
駐禁.comでは逮捕者報道を11人までは確認しましたが、以降は、「駐車監視員」に対する公務執行妨害は”ありふれた犯行”となったのか、滅多に報道されることはなくなりました。
ちなみに逮捕されるとどうなるかというと、「駐車監視員」の頭を平手でたたいた男に、懲役1年執行猶予3年の判決が下されています。
そして20年2月15日、ひさしぶりに同容疑での逮捕報道がありました。
駐車監視員が印字していた違反シールを機械から引っ張り出して業務を妨害したとして、38歳の自営業の男が逮捕されました。
出典:東海テレビ 20/02/15 「“駐車違反シール”印字中に妨害…監視員が再印字の隙に知人の車走り去る 38歳男を公務執行妨害で逮捕」 https://www.tokai-tv.com/tokainews/article_20200215_116007
男は知人の車に違反シールを貼られるのを止めようとし、監視員が改めて印字している間に知人が車で去ったため、シールを貼ることができませんでした。警察はこの違反に対する対応方法を検討しています。
通常、「駐車監視員」に対する公務執行妨害で逮捕されるのは、駐禁ステッカーを貼られて納得がいかないドライバーが多いのですが、この件では、ドライバーではなく知人。
妨害した方法も、よくある「やめろ」などと脅迫するのではなく、機械からシールを引っ張りだすという物理的手段で、あまり聞いたことがありません。
逮捕した警察も初めてのケースだったらしく、対応方法を検討しているとかで、どんな処分が下されるか分かりません。
男にしてみれば、知人のためを思って深く考えずにやったことでしょうが、警察的には、犯罪者をかばう行為としか映りません。
せいぜい「今、運転手きますから、ちょっと待ってやってください」と声をかけ、時間稼ぎするくらいにとどめるべきでした。
ドライバーではない人間の声かけぐらいで「駐車監視員」が作業をやめるとは思えませんが、それ以上すると犯罪に問われることもあるのが(納得いかないかもしれませんが)、みなし公務員という制度なのです・・・