駐車監視員の狭き門(その他:令和136)

(初出:20/08/08)

 20,000円がムダにならずにすみました・・・
 つぎのような報道がありました。
『京都府警は7日、駐車監視員の資格試験で採点ミスがあり、京都市の会社員男性(56)を誤って不合格にしていたと発表した。府警は男性に謝罪し、近く合格証を交付する。』
出典:京都新聞ウェブサイト 20/08/07 「駐車監視員の資格試験で採点ミス、不合格に 京都府警が謝罪」(https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/325398)
 近年では、映画(参考記事:テーマは”駐車監視員”、映画「ミドリムシの夢」)のテーマになるほど身近になった駐車監視員ですが、その実態はあまり知られていません。 
 大部分のドライバーにとって駐車監視員は、緑色の服を着てうろうろしている邪魔なおじさんくらいの印象しかないでしょうから、当然です。
 一見すると簡単になれそうな印象の駐車監視員ですが、その裏には、熾烈な生存競争があります。
 まず、前出の、駐車監視員の資格試験。
 これは、2日間14時間にわたる「駐車監視員資格者講習コース」を受講したのち受験するもので、マークシートで行われ、50問中45問以上正解で合格となります。この講習の受講手数料に20,000円(令和2年現在)かかります。
 合格率は試験によって異なるでしょうが、70%程度(参考記事:都内全域拡大は既定路線?)。
 しかし、資格試験に合格しただけでは、駐車監視員にはなれません。
 個人では契約してもらえないためです。
 駐車監視員の民間委託入札に参加し落札、受託した法人に雇用される必要があります。
 しかも警察と法人の駐車監視員の契約は永続的ではないため、運よく採用されたとしてもずっと仕事に就ける保障はありません。
 次回の入札でほかの法人に決まってしまえば、それまで働いていた駐車監視員は、駐車監視員としては仕事を失うことになります。
 さらに根本的な話として、駐禁車両の数は減少傾向にあります。
 駐車監視員制度は違法駐車を減らすために考えられたので、制度の成果が出ているといえばそれまでですが、制度が開始された2006年、駐車監視員1ユニットが1日に確認する駐禁車両の平均台数は約3.3台でした。
 それが2018年には、平均台数約2.2台にまで減少しています(参考記事:じつはペースが落ちてる駐禁確認数)。
 今回、会社員男性があやうく試験に不合格になりかけた京都府でも、駐車実態の推移を公開※しているのですが、それによれば、平成3年約3,500台だった違法駐車は、平成31年(令和元年)には1/3以下の1,000台あまりと大幅に減少しています。
 出典:京都府警察 「駐車の現状(令和2年1月調査)」(https://www.pref.kyoto.jp/fukei/kotu/chutai_c/genjo/index.html)
 そして京都のみならず全国で、令和2年4月頃から、新型コロナウイルスの影響で観光客が激減しています。
 来年令和3年の調査では、違法車両のさらなる減少が目立つ結果となるのではないでしょうか。
 こうした駐禁車両の減少が進行していけば、それこそ、駐車監視員ユニットの削減も検討されるかも。
 交通安全の面からすれば喜ばしいことですが、駐車監視員の試験に合格した受験者にとっては、仕事に就くのはさらに狭き門となりそうです・・・