(初出:20/01/04)
たかが駐禁、でも放置すれば逮捕・・・
06年6月から導入された「放置違反金」制度により、現在では、駐禁をとられて出頭命令が出ても、 ある程度の期間は無視していても罰せられることはなくなりました。
なぜなら出頭した場合、「反則金」を納付することになるのですが、出頭しないでいると、車両の持ち主に「放置違反金」の納付書が送付されてくるので、「反則金」の代わりにそちらを納付すればよいからです(※車両の持ち主と駐禁をとられた時の運転者がちがう場合は話が別ですが)。
では「放置違反金」制度ができる以前はどうだったかというと、たとえば制度導入直前の06年5月、 警視庁は駐禁による出頭命令を6回以上※無視しつづけたドライバー約450人に逮捕状を請求、違反者には厳しく対応する姿勢を見せてます。
「放置違反金」 というワンクッションがないので、「反則金」納付か、出頭命令を無視し続けて「逮捕」かの2択だったのです。
このような状況は東京だけでなく、『大阪の違法駐車の現場は甘くない』(出典:産経ニュース 06/05/27 http://www.sankei.co.jp/)といわれた大阪でも同じでした。
ある大物芸能人が次のような告白して話題となりました。
『約30年前、ダウンタウンが大阪・心斎橋二丁目劇場などに出演し、人気を博していたころの出来事。浜田は「駐車違反とかいろいろなものが重なって、出頭してくださいって紙がくるじゃないですか。それを大丈夫かって、1年以上ほったらかしていたんです」と切り出した。「逮捕しますよみたいな督促状」も届いたというが、それも「無視していた」という。
出典:Sponichi Annex 20/01/04 「浜田雅功 30年前の驚きの過去告白「アンタ、明日逮捕やったで!」」 https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/01/03/kiji/20200103s00041000286000c.html
その後、胸騒ぎがした浜田は交通機動隊の本部を訪問、警察官から告げられた言葉が、「来たぁー!アンタ、明日逮捕やったで!」だったと明かした。』
30年前といえば1990年、昭和から平成に元号が新しくなった頃。
現在社会問題となっている”あおり運転”や”ながら運転”は、そういう言葉すらなく、「警察白書」によれば、交通取締りにおける最重点は下記の通りでした。
『無免許運転、飲酒運転、著しい速度超過、信号無視等悪質、危険な違反や幹線道路の交差点等における駐停車違反、暴走族の騒音運転等迷惑性の強い違反』
出典:平成2年 警察白書 「5 交通秩序の確立」https://www.npa.go.jp/hakusyo/h02/h020600.html
その後、駐禁取締まりは民間委託(平成18年)され、飲酒運転は道路交通法改正により厳罰化(平成19年)されました。
また、令和の今、スピード違反取締りには移動式オービスが登場し、暴走族も数を減らしています。
そのため令和元年、秋の交通安全運動で第一に挙げられていたのは、かつて最重点とされていた項目のいずれでもなく、”子供と高齢者の安全な通行の確保”であり、つぎが”高齢運転者の交通事故防止”でした。
大物芸能人が駐禁で逮捕されそうになった頃と今では、交通違反において注目されるポイントがずいぶん変わってきているのです。
ちなみに平成元年の交通事故による死者数は1万1,086人。
そして、平成30年の交通事故による死者数は3,532人。
死者数の減少は、この30年における警察による取り締まりが効果的だったことの現れといえるかもしれません。
なお、以前ほどすぐではないといえ、 「放置違反金」の支払いを無視しづけていると警察による出頭命令が出され、これも無視していると、結局は逮捕されます。
たとえ相手が有名人であっても容赦ないというのが証明された以上、身に覚えがある方はくれぐれもご注意ください・・・
※出頭命令を無視して逮捕される目安の回数は”5回”になっている可能性があります(参照記事:逮捕のカウントダウン早まる? (逮捕:令和101))