(初出:21/12/06)
その駐禁が事故を呼ぶ・・・
「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざがあります。
小さな出来事が、めぐりめぐって予想もつかない結果を生むという意味ですが、このことわざのように、軽い気持ちの駐禁が大事故に発展してしまうことがあります。
今年(令和3年)10月、神奈川県警は、横浜市中区の大通り公園周辺で違法駐車の追放キャンペーンを実施しました。
理由は、違法駐車が事故を誘発するケースが後を絶たないため。
県警駐車対策課によると、県内では今年、駐車車両に追突する事故で5人が死亡した。昨年11月には藤沢市で、駐車車両で死角になっていた所から横断しようとした小学1年の男児が車にはねられて死亡する事故があった。
出典:カナロコ by 神奈川新聞 21/10/26 「神奈川県警が違法駐車追放キャンペーン 追突で今年5人死亡 https://www.kanaloco.jp/news/social/article-724331.html
違法駐車の車が、事故の原因であるのは明らか。
だったら、事故の原因となった駐禁車両のドライバーに重い刑が科せられるかというと、そうでもありません。
裁判になった場合、駐禁車両のドライバーに事故の全責任を負わせる判決は、まず出ないのです。
なぜなら駐禁車両は、あくまで事故の”きっかけ”だから。
・違法駐車の車の陰から子どもが飛び出し、よけれずに轢いてしまった → まず、前方不注意で、子どもを轢いたドライバーの責任が問われる。
・違法駐車していた車に気づかず追突して、同乗者を死なせてしまった → まず、前方不注意で、追突したドライバーの責任が問われる。
駐禁車両は、事故のきっかけとなったとしても、直接事故を起こしたわけではないので、比較的責任は軽いのです。
とはいえ、いくら刑が軽くすんだとしても、事故の被害者やその家族、そして事故を起こし加害者となってしまったドライバーの双方から、一生怨まれても仕方ありません。
「おまえが、あんなところに車を停めてたから、事故になったんだ」
そう指摘する相手に、「事故になるとは思わなかった」という言い訳が、どれだけ通用するか。
試してみたいと思う人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
そんな目に会いたくないなら、たとえうっかりでも、駐禁はするべきではありません。
駐禁をとられて、反則金や放置違反金を納付する羽目になり、嘆いているドライバーの方。
お金で済んで、まだマシだったかもしれません・・・