ジョブ型雇用の先駆者、駐車監視員(取締:令和141)

(初出:20/09/03)

 じつは時代の最先端だったのかも・・・
 コロナ禍で経済が低迷、あちこちでリストラの話を聞きますが、同時に耳にする機会が増えたのが「ジョブ型雇用」という言葉。
 「ジョブ型雇用」とは、”仕事ありき”で働く人を募集する雇用形態のことです。
 その反対が、「メンバーシップ型雇用」。
 大企業などでお馴染みの、まずは新卒で一括採用し、適性などを見ながら、人事が人手が足りない部署に新人を割り振っていくという、”人ありき”の雇用形態。
 ただこの「メンバーシップ型雇用」という制度、じつは日本特有のもので、最近よく聞かれるのが、これからは諸外国と同じように「ジョブ型雇用」への転換を目指すべきだという説です。
 しかし、これまでその実現を阻んできたのが、「メンバーシップ型雇用」を前提に組まれている、多くの日本の制度。
 たとえば、ひとつの会社に長期間勤務しつづけることを前提に組まれる住宅ローンなどが、その典型です。
 そんな中、2006年にいち早く登場した「ジョブ型雇用」といえるのが、駐車監視員の仕事です。
 駐車監視員の「ジョブ」は、あらかじめ決められたエリア、時間帯で、違法駐停車の状態にある車両がないか確認して回ること。
 駐禁ステッカーを貼った直後に、運転手が戻ってきて言い訳されても、一度貼った駐禁ステッカーを撤回することはできません。
 それは、駐車監視員の「ジョブ」の範疇ではないためです。
 同じように、担当エリアのすぐ外や、担当の時間外に駐禁車両を発見しても、基本的に駐禁ステッカーを貼ることはしません(※1)。
 それは、駐車監視員の「ジョブ」の範疇ではないためです。
 このように厳密に「ジョブ」が規定されている駐車監視員は、ジョブ型雇用の先駆者といっていいかもしれません。
 もっともそのため、急な状況の変化に対応できず、ミスマッチな現場が発生しているのも事実(参考記事:「むしろ懐かしい駐禁取締り」)。
 社会の情勢に合わせ、今後、駐車監視員の制度がどのように変わっていくのか。
 もしかするとそれは、日本における「ジョブ型雇用」のテストケースとなるのかもしれません・・・

※エリアによっては、警察署長の指示の元、”駐車監視員ガイドライン”の範囲外でも駐車監視員が確認事務を行うことがあります。
詳しくは各エリアの”駐車監視員ガイドライン”(留意事項)をご確認ください。
「駐車監視員」の活動については下記ページで確認できます(一部PDF)。
全国|駐車監視員ガイドライン