帰りの車中は無言かも(取締:令和143)

(初出:20/09/10)

素晴らしい夜景に感動して帰ってきたら、車に駐禁ステッカー・・・

コロナ禍で、耳にタコができるくらい繰り返されたワード、3密
しかし、本来社会的な生き物である人間が、長期間に渡って自粛しつづけることには無理があったようです。

つぎのような報道がありました。

神戸有数の夜景スポットとして知られる摩耶山掬星台(きくせいだい)(神戸市灘区摩耶山町)の周辺道路で、週末や祝日の夜を中心に乗用車の渋滞や路上駐車がやまず、苦情が相次いでいる。新型コロナウイルス対策で「3密」を避けようと、カップルや家族連れが山上に集まり、近くのホテルでは宿泊客が渋滞に巻き込まれて到着が遅れたり、従業員のマイカーが車列に遮られて帰宅できなかったり。事態を重く見た兵庫県警は違法駐車の一斉取り締まりを始めた。

出典:神戸新聞NEXT 20/09/10 「3密避け夜景スポット人気 「掬星台」に車殺到、苦情相次ぐ」 https://www.kobe-np.cojp/news/sougou/202009/0013681984.shtml)

六甲山地の中央に位置する摩耶山は、標高702m。

違法駐車取り締まりといえば、緑の制服で知られる駐車監視員が有名ですが、摩耶山周辺は、駐車監視員の活動ガイドラインには含まれていません

ジョブ型雇用である駐車監視員は原則、決められた担当エリアと時間以外では違法駐車の確認作業はしません。

それは、駐車監視員の「ジョブ」の範疇ではないためです。

兵庫県警灘警察署の駐車監視員活動ガイドラインには、いちおう留意事項として、110番等による突発的な駐車苦情に対する措置依頼を受けた場合、警察署長の指示があれば、違法駐車の確認事務を行うことができるとされています。

しかし、平均年齢44.6歳と、けっして若くない駐車監視員(06年時。参考記事:大人気、「駐車監視員」資格)。さらに、駐車監視員の通行手段は、ほとんどが徒歩か自転車です。
 
そんな駐車監視員に、標高702mの山の上、それも夜間の駐禁取り締まりを指示する、鬼のような警察署長がいるとは思えません。民間人の駐車監視員にもしものことがあれば、責任問題にもなりかねませんし。

そこで記事のように、警察の出番となったのではないかと思われますが、ただ駐車監視員とちがい警察は、違法駐車をいつも確認してまわっているわけではありません。

なので今回、たまたま警察が出動している日に摩耶山を訪れた、運の悪いドライバーだけが駐禁をとられる羽目になりました。

不公平なようですが、考えたら、スピード違反にしろ一時停止違反にしろ、摘発されるのは運が悪いときと相場が決まっています。

ただこの場合、通常の交通違反とちがって、反則金や免許の点数より心配すべきことがあります。

それは、せっかくの感動体験もどこへやら、無言になりがちな帰りの車中の雰囲気です・・・