(初出:22/02/01)
姿を消した、”レッカー車”・・・
ふとした拍子に過去記事を見かえすと、「ああ、こんなことあったなあ」と思うことがあります。
たとえば、レッカー車。
平成の時代、たまに町中で、レッカー車に曳かれていく駐禁車両を見かけたものですが、駐車監視員の登場で、その出番は激減しました。
当時の「駐禁.com」にこんな記事があります。
平成19年現在、東京の繁華街では時おり、レッカーに載せられ運ばれていく駐禁車両を目にすることがありますが、これって東京全域ではなく、”55署”のみで行なわれていたんですね。
出典:駐禁.com 07/05/13 「東京ではレッカー移動減少?」 https://xn--ckzq57d.com/torisimari38/
それが、”築地署等6署”に縮小されるというのですが、なぜ縮小されるのかといえば、「駐車監視員」制度導入で駐禁の台数そのものが減少しているからとのこと。
その後、レッカー車はどのような運命を辿ったのか。
警察庁が発表している「警察白書」記載データを使って、調べてみました(参考:警察庁 「警察白書」 https://www.npa.go.jp/publications/whitepaper/index_keisatsu.html)。
駐車監視員制度が導入される前年(2005年)、駐禁をとられ、レッカー移動された車両の数=312,502台。
この年、駐禁が確認された件数は、1,593,377件。
1,593,377台÷312,502台=5。
つまり当時、駐禁をとられた車の、約5台に1台がレッカー車で持っていかれた計算になります。
移動にかかった費用は、ドライバーか車の所有者、どちらかが負担するわけですが、レッカー移動代は、約15,000~30,000円程度といわれます。
さらに、保管に当たって、駐車場が利用された場合、その駐車場代も加算されます。
そのため、たまたま自分の車がレッカー移動されているのを目撃したドライバーなど、真っ青になったものです。
厳しすぎる罰ゲームのような、駐禁車両のレッカー移動ですが、駐車監視員制度が導入された2006年以降、じょじょに数が減っていきます。
警察白書に記載された、レッカー移動された車両の台数は、つぎの通り。
2006年 167,049台
2007年 78,649台
2008年 36,993台
2009年 21,647台
2010年 14,543台
2011年 10,257台
2012年 6,415台
2013年 2,283台
2014年 1,356台
2015年 321台
2005年の時点で312,502台あったのが、11年でなんと、約0.1%にまで縮小。
「いや、減りすぎだろう」と、思わず、つっこみたくなるような減少ぶりです。
では、2016年以降はどうかというと、書くまでもないと思われたのか、レッカー移動された車両の台数は、記載すらされていません。
駐車監視員に駐禁ステッカーを貼られたほうが、まだマシと思えるほど、ダメージが大きかったレッカー移動。
今では、遭遇する可能性は低くなっている※ので、万一停めてあった場所に車がなかったら、レッカー移動ではなく、盗難を疑ったほうがよさそうです・・・
※補足:
制度自体なくなったわけではなく、今でも、ホームページにレッカー移動を明記している警察もあります(参考:兵庫県警察 「違法駐車車両のレッカー移動」 https://www.police.pref.hyogo.lg.jp/traffic/violation/chusha/index4.htm)
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