つぎは自転車監視員?(取締:令和270)

(初出:22/04/18)

つぎは自転車監視員?・・・

各地の警察署から違法駐車車両の確認業務を委託され、駐禁を確認してまわる”駐車監視員”。

緑色の制服でお馴染みの”駐車監視員”ですが、かれらが見回る担当エリアは、「駐車監視員活動ガイドライン」として、それぞれの所轄警察署ホームページで告知されています。

ただ、この「駐車監視員活動ガイドライン」。

交通事情の変化などに伴い、見回るエリアが変更される(参考記事:地元に配慮の「違法駐車」規制)ことがあり、
「この辺、駐車監視員こないんだよね。まえに警察のHPで調べたから、だいじょうぶ」
などと油断して路駐したら、がっつり駐禁ステッカーを貼られてしまった、という事態に陥ることもありえるので注意が必要です。

実際、今年(令和4年)3月にも、いくつかの警察署で「駐車監視員活動ガイドライン」が改訂されました。

仕事で毎日運転する方などは、たまには、よく行く場所の「駐車監視員活動ガイドライン」をチェックしたほうがいいかもしれません。

ところで、「駐車監視員活動ガイドライン」と同じように、警察のHPで取締り重点地域が発表されているものがあるのを、ご存じでしょうか。

それは、「自転車対策重点地区・路線」です。

参考:警視庁 21/02/10更新 「自転車対策重点地区・路線」 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/bicycle_plan.html

先日、つぎのような報道がありました。

自転車の交通ルール違反に歯止めをかけるため、全国の警察が、悪質・危険な走行が問題になっているような「自転車指導啓発重点地区・路線」を選定し、各都道府県警のホームページ(HP)で地域住民に周知した上で、集中的に取り締まりに乗り出すことが20日、分かった。

出典:共同通信ウェブサイト 22/03/20 「悪質自転車、対策強化へ 全国で集中取り締まり」 https://nordot.app/878247145297149952

記事では”全国の警察”となっていますが、重点地区・路線が発表されているのは、現時点(22/04/19)では警視庁だけなので、ほかの地域は、選定中なのかもしれません(追記:その後、全国の警察で地区が選定され、公開されました。参考記事:自転車は”軽車両”です、お忘れなく)。

それにしても、この自転車の取締り強化。

考えてみれば、先週(4月15日)、終わったばかりの「令和4年春の全国交通安全運動」でも、”運動重点”のひとつに挙げられていたのが、「自転車の交通ルール遵守の徹底と安全確保」でした。

”運動重点”とは、いわば、交通安全運動の”テーマ”のようなもの。

かつては違法駐車も、この”運動重点”の一つとされていたのですが、「駐車監視員」制度が導入され、年々駐禁車両が減っている現在では、”運動重点”から外されています(参考記事:数字で見る、駐禁車両の減少1)。

同じように、以前は”運動重点”とされたチャイルドシートの着用も、規制が強化され使用率が高くなり(2019年の全国平均使用率70.5%)※1、また、社会問題となった高齢者ドライバーも、免許の更新基準が厳しくされ、返納率が上がっています(2019年に免許を自主返納した人は過去最多の601,022人)※2。

しかし、毎回、全国交通安全運動の”運動重点”とされながら、自転車事故件数交通事故件数に占める割合は、ここ10年ずっと2割程度※3から減少していません。

今回の動きは、事態が改善されない現状に、しびれを切らした警察が、さらなる自転車の取締り強化を決めたということかもしれません。

このままいけば、もしかすると、選定された「自転車対策重点地区・路線」を専門に取り締まる、「自転車監視員」制度が誕生したりするかもしれません・・・

※1=参考:警察庁 「子供を守るチャイルドシート」
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/childseat.html#:~:text=%E7%AC%AC3%E9%A0%85-,%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%89%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AE%E4%BD%BF%E7%94%A8%E7%8A%B6%E6%B3%81%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6,%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88)%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

※2=参考:警察庁 「運転免許証の自主返納について」 https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/return_DL.html

※3=参考:日本損害保険協会 21/08/20 「自転車事故の発生状況」(知っていますか? 自転車の事故~安全な乗り方と事故への備え) https://www.sonpo.or.jp/about/useful/jitensya/index.html


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