(初出:21/07/23)
”座ってるだけ”のバイトも通じません・・・
駐禁対策として、トラックの助手席に”座ってるだけ”のアルバイトがあると聞いたことはないでしょうか。
「未経験者OK! 免許も不要! 座ってるだけの楽々バイト」…
時給こそ高くないものの、闇バイトじゃないかと思うほど、条件の良いお仕事です。
なんでこんなバイトが成立するのかというと、都心部で配達の仕事をするにあたって、避けて通れないのが、駐車監視員とのバトルだからです。
オフィスビルに荷物を届け、大急ぎで戻ってくると、速攻でトラックに貼られている駐禁ステッカー。
反則金を納付したら、ほぼ半日から1日の稼ぎがフイです。
それどころか、仕事で使ってるトラックだと、「使用制限処分」がこわいので駐禁を確認されると警察に出頭するしかないのですが、出頭すれば免許に加点され、その後の仕事にさしつかえる恐れすらあります(参考記事:駐禁で出頭するのは得か、損か)。
だったら、警察に隠れて、点数に余裕がある人間が身代わり出頭すればいいじゃないかと思う不届き者もいるかもしれませんが、かつて、そうした組織ぐるみの不正を行なっていた運送会社は、最終的に100人を越す社員が逮捕・書類送検されてしまいました(参考記事:平成駐禁事件簿7)
このニュースを目にした多くの運送会社の経営陣は思ったことでしょう。
”反則金や免許の加点は痛いが、へたしたら会社ごと潰れてしまうような危ない橋を渡るわけにはいかん”
そこで、人が乗っていれば確認作業ができない駐車監視員の弱点をつく、”座ってるだけ”バイト募集が始まったのです。
しかし、この世には、もともとそんな弱点がない強敵が存在します。
それはズバリ、警察です。
つぎのような記事がありました。
『(記者リポート)「こちら、3車線ある道路なんですが、1番左の車線を、違法に駐車されたトラックがずらっと並び、完全にふさいでしまっています」。
出典:ABCニュース 21/07/01 「車線ふさぐトラックの列が1キロにも 違法な「人乗り駐車」を一斉締取り」 https://www.asahi.co.jp/webnews/pages/abc_11271.html
周辺では、運転手が乗ったまま長時間、駐車を続ける通称「人乗り駐車」が常態化しています。
多い時には60台近くが長さ1キロにわたって列をなし、追突事故の原因にもなっています。
こうした状況を受け、警察は道路交通法に基づく一斉取り締まりを実施。
約2時間で10件、検挙しました。』
「人乗り駐車」という呼び方は初めて聞きましたが、じつは大阪で、こうした逮捕劇が繰り広げられるのは、今回が初めてではありません。
最近ではタクシー(参考記事:行き場所がない、北新地・タクシー)、すこしまえだとトラック(参考記事:取締りスポット変わらず)の例があります。
駐車監視員には有効な”座ってるだけバイト戦略”も、警察による駐禁取り締まりには役に立たないのです。
とはいえ、過去の例からすると、こうした違反は常態化することが多く、ほとぼりが冷めたころ、再びこの場所にトラックが戻ってくるような気がします。
その頃にはもしかすると、不謹慎かもしれませんが、「人乗り駐車」という呼び方が定着しているかもしれません・・・